福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.124(H10/1998.7) -019/042page

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◇シリーズ

福島県の児童生徒の学力の実態を指導の在り方
−平成9年度学力到達調査研究から(中学校2年英語)−
教育センター学習指導部

はじめに

 教育センターでは、「学力向上」を目指した授業改善に資するため、平成6年度から一連の調査研究を行ってきた。
 個々では、平成9年度に行った「福島県の児童生徒の学力の到達状況に関する研究」を基に、中学校2年生の英語の到達状況と指導の在り方について述べる。


成績分布 1 成績分布の特徴

 次のグラフは、平成7年度と9年度の成績分布を表したものである。
 これを見ると、平成9年度の分布状況は、平成7年度と比べ大きな変化は見られず、正規分布と比べ3段階がやや少なく、その分を2段階と4段階で分けあうような分布になっている。




2 「大領域」別に見た到達状況

  
平成7年度 平成9年度
本県通過率 全国比 本県通過率 全国比
聞くこと 62.4 99 62.0 98
話すこと 59.3 94 58.9 93
読むこと 56.9 95 56.8 95
書くこと 54.1 92 56.0 95

 英語の場合、学習内容が4つの「大領域」に分類される。次の表は、「大領域」別に見た、平成7年度、平成9年度の本県の通過率と全国比である。
 平成9年度は、4領域すべてが全国平均を下回っているが、「聞くこと」は全国平均に近い水準である。平成7年度に比べると、「聞くこと」、「話すこと」の全国比は1ポイントずつ低下したものの、「書くこと」は3ポイント上昇している。


(上段 H7)
(下段 H9)


中  領  域 本県通過率 全国比
1 聞き取って適切に応答すること 39.0
38.3
87
86
2 正しい強勢で応答すること 49.9
49.8
90
89
3 正しいアクセントで話すこと 67.7
66.8
94
93
4 伝えたいことを正しく話すこと 71.2
71.4
100
101

3 「中領域」別に見た通過率と全国比

 平成9年度、全国比が最も低い大領域は「話すこと」である。「話すこと」は4つの中領域に分けられ、それぞれの中領域における本県の通過率と全国比は次のとおりである。
 どちらの年度においても、「1 聞き取って適切に応答すること」、つまり、英語の質問を聞いて正しく答えることが苦手であることが分かる。



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