福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.124(H10/1998.7) -027/042page
対して投書することができた。
3(丸囲み) 続く「読後討論会」でも投書に基づき具体的な事実(徴兵代役料の現代価値換算額など)を根拠に主張を展開する者も現れた。また発表できなくとも、ほとんどの生徒が応援したり相談したりと考えを表現することができた。
4(丸囲み)決着をつけたいという強い希望がだされ、次単元も引き続き課題を追求することとなった。
5(丸囲み)しかし「社説」では立場を明確にしたために、70%の者が最終意見に他の考えを取り入れなかった。3 第2回検証授業(ディベード的討論、社説)
(1) 単元指導計画
(2) 検証の観点
1(丸囲み) 相手との論拠の相違点をふまえ、自分の意見を主張できるのか。
2(丸囲み) 相手の主張の正当性にも気づき社説に多角的な見方で意見が書けるか。(3) 検証授業の実際と考察
1(丸囲み) 「この時期政府は国家主導で政治を行うべきだ」という論題でディベート的討論を実施した。互いに模擬討論までに予想した以上の反論を得たが、獲得した知識を活用し、すかさず反論しあっていた。
2(丸囲み) 総発信者数が24名にのぼったこと、拍手やとっさに反駁資料を探す者などほぼ全員が何らかの形で討論に参加した。
3(丸囲み) 「社説」にも73%の者が相手の主張も取り入れて考えをまとめることができた。4 考 察
(1) 取材メモは事実認識形成に有効であったか。
1(丸囲み) 事前・事後テストより(例)
御誓文 明治維新 富国強兵 徴兵令 事 前 18 34 20 8 事 後 86 90 90 88 ほとんどの項目で70〜90%の正答率が見られた。また授業後の感想でも下に示すようにスムーズに獲得できたとする者が多かった。
(2) 「歴史新聞」「投書・模擬討論」「討論」「社説」という指導過程によって社会認識の深まりがみられたか。 以下に示すのはある抽出生徒の記録である。「建白書」での表面的な意見から、「歴史新聞」