福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.124(H10/1998.7) -029/042page

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研究紹介

我が国の伝統音楽や世界の民俗音楽に親しむための指導に工夫

〜音楽を構成する規則の学習を通して〜

教育センター学習指導部  星   英 一 

I 研究の趣旨

 現在、国際化への対応として、我が国の伝統文化を尊重し、世界のさまざまな文化への理解と関心を深めることが、以前にもまして重要視されている。
 本研究では、高等学校芸術家音楽において、生徒がより生き生きと世界の民俗音楽に接し、さまざまな音楽のよさや楽しさに気づくことのできるような授業を展開するための、表現領域と鑑賞領域の関連のさせ方や、複数の教材を組み合わせて用いた指導の工夫について探っていきたいと考えた。
 平成8年度に、県北、県中地区の高校1年生を対象として、小、中学校における日本の伝統音楽を含む民俗音楽の学習内容と、それらの音楽に対する意識についてのアンケート調査を実施した。その結果、日本の伝統音楽については、以下のグラフに見られるように、半数以上の生徒が好感を持っていないということがわかった。

アンケートグラフ

 その理由として、多くの生徒が「日常接している音楽との違和感」を挙げている。ここで、「日常接している音楽」とは、ロックをはじめとするポピュラー音楽など、現在、生徒の周囲にあふれている西洋のスタイルで構成された音楽を指していると思われる。
 そこで、前述したような生徒の持つ違和感を和らげるためには、我が国の伝統音楽および世界各地の民俗音楽と、生徒が日常親しんでいる西洋のスタイルによる音楽との間に、音楽を構成する上での共通の要素が存在することに気づかせることが有効ではないかと考えた。また、音楽構成の規則には共通点を持ちながらも、それぞれの民族は、固有の美意識や文化的背景のもとに、独自の音楽表現をしている。そのことに生徒が気づくことにより、多様な音楽に対する興味や関心を持てるのではないかと考えた。

II 研究の内容

1 音楽を構成する規則に共通点を持つ教材の組み合わせと指導法の工夫についての研究。
2 音楽を構成する規則を軸とした指導計画の作成と指導法の研究。
3 指導の有効性についての授業による検証。

III 研究の実際

1 検証授業の指導計画作成の構想


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