福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.124(H10/1998.7) -032/042page

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音楽が、我々に身近なポピュラー音楽をはじめとして世界各地に存在しているのはなぜか。
 ○ 同じ規則を使いながら、その地域ごとに、個性あふれるそれぞれの民族独自の音楽になっている。例えば、日本の音楽はどうしてテンポどおりでないのか。

IV 考 察

 第4時終了後に、生徒にアンケート調査を行った。結果は以下のとおりである。

アンケートグラフ1

 全体の75%の生徒は「楽しかった」と答えている。このことから、ある程度の成果は得られたと考える。「あまり楽しくなかった」と答えた生徒の感想をみると「『越天楽』の打楽器パートの記入の際に、授業のぺ一スについていけなかった。」、「日本の音楽はもともと嫌い」などというものが見られた。

アンケートグラフ2

 60%の生徒が、「以前より興味が持てた」と回答している。昨年度の調査で、高校生の64%が「日本の伝統音楽は好きでない」と回答していることから考えると、今回の研究は一定の成果を得られたものと考えることができる。
 一方、40%の生徒は「以前と変わりがない」と答えている。これらの生徒に対しては、今回のようなトピック的な指導計画によるのではなく、年間を通した指導計画のなかで、さまざまな場面を設定していくことが大切であると感じた。

V 研究の成果と今後の課題

1 研究の成果
 (1) 「リズムパターンの反復」という規則を軸にすることによって、ジャンルを越えた指導計画を作成することが可能となった。
 (2) リズムアンサンブル活動を取り入れることにより、我が国の伝統音楽についての表現領域からのアブローチの方法を得ることができた。
2 今後の課題
 (1) 年間指導計画における音楽との関連を持たせた指導の在り方にっいて、さらに研究を深めていくことが必要である。
 (2) 音楽を構成している規則を、創作活動へ応用できるような指導計画や指導法について、さらに研究を深めていく必要がある。

 最後に、本研究の推進にあたり、多大なるご協力とアドバイスをいただいた福島県立福島北高等学校の長澤千穂先生に厚く感謝申し上げたい。

〜 参考文献 〜
◇ 文部省 高等学校芸術科音楽指導資料「指導計画の作成と学習指導の工夫」 (教育芸術社、1992年)
◇ 坪能由紀子 「音楽づくりのアイディア」 (音楽之友社、1995年)
◇ シリーズ音楽と教育1 「音楽科は何をめざしてきたか」 (音楽之友杜編、1996年)

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