福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.125(H10/1998.11) -010/042page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

心 を 育 て る 教 師

〜心に迫り、心を育むアプロ一チ〜



1 「心の問題」と教師の課題
 平成9年度の学校基本調査速報によると、本県における「学校嫌い」を理由に30日以上欠席した小・中学生は、1,822人(小学生309人・中学生1,513人)で、前年度より283人増え、依然増加傾向に歯止めがかかっていない状況にあります。
 また、県立高等学校の全日制の中途退学者は、1,046人(1.59%)で、少なくない人数となっています。
 これらの状況は、少子化、核家族化などの影響で社会性を十分に身につけることができず、“悩みやストレスが解消できない”“学校でうまく対人関係が築けない”“集団生活に溶け込めない"など、子供の「心の問題」に起因していると考えられます。
 このような時にこそ、日ごろから本音を言える共感的な人間関係を確立し、子供たちの心を理解して、心の変化や問題等の背景を捉え、子供の内面に触れる指導援助を行うことのできる教師が求められます。

2 教育相談にみる子供の心
 (1) 子供の心の実態
 教育センターにおける、平成9年度の来所相談の概況を主訴別にとらえると、「不登校」の割合が大きいことがわかります。
 校種ごとに「不登校」に関する来所相談の割合をみると、小学生50%、中学生93%、高校生76%で、いずれも高い数値を示していますが、とりわけ中学生が高くなっています。ただ、本人の来所率をみると中学生が最も低く(53%)、それだけ問題の深刻さと対応の難しさが伺われます。

来所相談の概況(主訴とその割合)

 「不登校」の態様としては、「不安などの情緒混乱型」が最も多く、「学校生活に起因する型」「複合型」「遊び・非行型」「無気力型」などがあげられます。
 きっかけとしては「友人関係」が最も多く、「入学、転学、進級時の不適応」「親子関係」「教師との関係」「学業不振」「部活動への不適応」「学校のきまり」「家庭生活の急激な変化」など多岐にわたっています。
 来所してくる不登校児童生徒の多くは、学校生活上なんらかの不適応を引き起こし、深く傷つき、立ち直れないまま、「学校に行きたいけ


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。