福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.125(H10/1998.11) -014/042page

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◇シリーズ


福島県の児童生徒の学力の実態と授業改善
−平成9年度学力到達度調査研究から(小学校5年算数、中学校2年数学)−
教育センター学習指導部

【小学校5年算数】
1 「大領域別」に見た到達状況

平成7年度 平成9年度
本県通過率 全国比 本県通過率 全国比
数と計算 48.8 93 50.9 97
量と測定 37.0 86 38.5 90
図  形 61.1 97 62.1 98
数量関係 40.6 95 43.1 101

 今回の調査では、「数量関係」は全国平均を上回っており、「数と計算」と「図形」は、全国平均に近い水準である。また、前回と比べると、すべての領域で全国比の上昇が見られる。特に、「数量関係」は6ポイント上昇している。しかし、「量と測定」は全国比90で、前回同様に4領域中最も低い。

2 「量と測定」の通過率と全国比

(上段:平成7年度、下段:平成9年度)
中 領 域 本県通過率 全国比
いろいろな図形の面積 42.0
42.9
88
89
体積の表し方と求め方 35.6
38.2
86
92
およその大きさと平均 31.0
34.5
74
82
割合のくらべ方と表し方 17.6
18.9
75
80

この表からわかるように、4領域中最も低い「量と測定」の中でも、「およその大きさと平均」と「割合の比べ方と表し方」の全国比は、それぞれ82,80と低い。

3 授業改善に向けて
 「量と測定」の指導においては、他領域にもまして具体的な活動や問題解決学習を積極的に推し進めることが大切である。ここでは、「単位量当たりの数量」に焦点をあてて述べてみたい。
(1) 児童のつまずく言葉に配慮する。
 教科書では「単位量当たりの数量」の導入問題として、公園で遊ぷ児童のこみぐあいを素材とし、面積と人数の異種の2量の割合を量として比較する場合が多い。その際、日ごろ感覚的にとらえている「こみぐあい」を定量的にとらえ直しする意味を理解させ、用語「1平方メートル当たり」、「1人当たり」の意味理解に結びつけたい。
(2) 児童に提示する問題の内容を吟味する。
 下の問題のように、児童にとってかかわりの深い場面からの問題を提示し、興味・関心を高めたい。さらに、異種の2量を比較する際は、一方の量を同じにして、もう一方の量で比較するという考え方を児童が発見できるような問題が望ましい。

【問題】  下の表は、宿泊活動の部屋割りです。こんでいる部屋はどこでしょう。
A室 B室 C室
たたみの数 10枚 10枚 8枚
子供の数 6人 5人 5人

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