福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.125(H10/1998.11) -016/042page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

連載コーナー

あなたもカウンセラー

〜豊かな人間関係を育む指導援助〜

教育センター教育相談部

124号 「グループ・エンカウンター」の実施による学級の人間関係づくり
125号 「アサーショントレーニング」に実施による学級の人間関係づくり
126号 「グループワーク」の実施による学級の人間関係づくり

 いつも、昼休み時間になると、校庭へ走り出て、サッカーをしている5年生のS男がめずらしく教室に残っています。
 K先生は、S男に話しかけました。

K先生; めずらしいね。今日は、サッカーやらないの?
S男; ……うん。
K先生; 何か元気ないようだけど、どうしたの?仲良しのF男君の姿も見えないけど……。
S男; 先生、実は……。

 S男は、「F男を含めたいつもの仲間たちと昨日の放課後、校庭でサッカーをする約束をしていました。ところが、S男は、急に用事を思い出して、何も言わずに帰り、約束を破ってしまったのです。
 今朝、S男はF男から、「うそつき」と言われ、気まずい気持ちになってしまいました。

 毎日の学校生活の中で、児童たちは、お互いに様々な形でコミュニケーションを取り合っています。しかし、中には、自分のことだけ考えて、他者を踏みにじる言動(攻撃的な自己表現) の子供や、いつも自分のことは二の次で、他者を立てる言動(受身的な自己表現)の子供もいます。その結果、言い過ぎてしまったり、言いたいことも言えなかったりして、関係を崩してしまうことがよくあります。
 このことから、K先生は好ましいコミュニケーションの力を養うために、学級の子供たちを対象にしたアサーション・トレーニングを実施することにしました。

『アサーション』とは?
 自分のことはまず考えるが、同時に他者をも考慮する言動のことを アサーション(アサ−ティブな自己表現) という。お互いに対等な立場で自分の気持ちや考えを素直に表現し合うことは、問題を未然に防ぎ好ましい人間関係をつくることにつながる。

 アサーション・トレーニングは、攻撃的でも、受身的でもなく、自分も相手も一人一人を大切にするコミュニケーションとして、学級の人間関係づくりに役立つものです。
 連載コーナー「あなたもカウンセラー」第2回目の今回は、「アサーション・トレーニング」


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。