福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.125(H10/1998.11) -020/042page

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研究紹介

自分なりのめあてを持って、意欲的に音楽活動に取り組む児童の育成

〜グループアンサンプルの活動を通して〜


相馬市立中村第二小学校教諭  星   悦 子 

I 主題設定の理由

 音楽科の授業では、自分の感じ方や考え方を生かして音楽表現を楽しんだり、音楽を聴いてそのよさや美しさを深く感じ取ったりするような学習活動を展開することが強く求められている。そのためには、音楽の学習活動を児童自らがつくっていくことができるような授業を展開していくとともに、個に応じた学習方法の確立が必要です。
 しかし、あらためて児童の実態を見つめ直してみると、主体的に学習に参加している児童は多いとはいえず、受け身の児童が多いようである。これは、全体のめあてが個人一人一人のめあてになっていないためであると考えられる。教師が一人一人の児童に適切に働きかけ、学習する事柄を把握することができるようにすれぱ、児童は意欲的にめあてに向かって活動できるはずである。
 そこで、実態調査を行ったところ、音楽は好きだが、学習活動に対して受け身的でめあてへの意識が低いという実態が浮き彫りになった。
 以上の理由により、児童自らが意欲的に音楽の学習をしていくために、教師はどのような点に配慮して一人一人の児童にかかわり、どのようにすれば児童のめあてを持って生き生きと活動できるようになるか模索レたいと考え、本研究主題を設定した。

II 研究仮説

1 研究仮説
 グループアンサンプルの活動において、 自分なりのめあてを持てるようにし グループで話し合う場と時間を十分確保する とともに、 自己評価や相互評価を工夫 していけば、意欲を持って音楽の学習に取り組むようになるであろう。

2 仮説のとらえかた
(1)  「自分なりのめあてを持つ」 とは
 「自分なりのめあて」とは、全体のめあてに到達するために一人一人が授業の中でどのような学習活動をしていくかを個人のめあてとして持つことである。
(2)  「グループで話し合う場と時間を十分確保する」 とは
 楽曲についてのイメージや表現の仕方などについて十分考えを練り合う場と時間を学習過程に位置づけ、支援することである。
(3)  「自己評価や相互評価を工夫する」 とは
 児童が「自分なりのめあて」の達成状況を自分なりに分析し、次時への課題へと学習を広げていく自己評価の在り方、および、お互いの演奏のよさを認め合い、意欲につながる相互評価の在り方を工夫することである。


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