福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.125(H10/1998.11) -021/042page
III 研究の実際と考察
1 検証授業
(1) 研究対象
6年2組32名(男子17名 女子15名)
(2) 題材名 歌声や楽器のひびき
題材 「勇気一つを友にして」授業A
「風を切って」 授業B
(3) 題材の目標
響きや強弱のバランスなどに気をつけたり、曲想を生かしたりして、いろいろな演奏形態で表現することができる。
(4) 授業の意図
授業では、学習計画表の前時の課題とポイントカードの活用により学習事項を焦点化し、一人一人が自分なりのめあてをもってから練習に臨むよう配慮する。また、練習に積極的に取り組めるようにするために、学習カード(自己評価カード)の活用を図り、自分の学習について反省し、次時へのめあてにつなげていけるようにする。そして、「はげましカード」を相互評価として活用し、学習の後の成就感が味わえるようにするとともに、意欲の持続を図っていきたい。
(5)主な学習の流れと仮説との関連
学 習 の 流 れ 仮 説 と の 関 連 1 めあてを確かめ、活動の見通しを持つ。
2 グループ練習をする。
3 グループごとに発表を行う。
4 本時のまとめをし、次時の学習について確認する。☆ 学習計画表の前時の課題とポイントカードから、自分なりのめあてを立て、自己評価カードに記入する。
☆ 練習に集中できるよう活動の場所と時間を十分に確保する。
☆ 相互評価カードにお互いの演奏のよさを記入し、交換する。
☆ めあてについての反省を自己評価カードに記入し、次時への学習につなげる。2 検証授業の実際と考察
(1) 検証の観点
1(丸囲み) 自分の学習状況に合わせた「自分なりのめあて」を立てることができたかどうか、めあてカードヘの記入状況により考察する。
2(丸囲み) 「グループで話し合う場と時間」を確実に学習過程に位置づけ、有効に活用できたかどうか、活動の様子から考察する。
3(丸囲み) 自己評価カードや相互評価カードの活用により、学習意欲が高まったかどうか、活動の観察や学習カード・意識調査から考察する。
(2)授業の概要と考察
1(丸囲み) 「自分なりのめあて」の立て方
「自分なりのめあて」を立てる手だてとして、学習計画表の前時の課題とポイントカードを活用し、めあてづくりの具体的な観点を与えた上でめあてづくりを行った。その結果、「自分なりのめあて」をどのように立てていったらいいのか迷う児童が少なくなってきた。
前時の課題から、全体のめあてを話し合い、それを元に自分なりのめあてを立てる。
(例)学習計画表の活用例(常に黒板に掲示)
本時のポイントを話し合い、自分なりのめあてを立てるとき生かせるようにする。
(例)ポイントカード(カードに記入し掲示)
ポイントカードの項目(カードに書き、黒板の脇に貼っておく) ◇曲のイメージをつかむ段階
元気に なめらかに はずんで ゆったり 静かに 速く etc.◇旋律を覚える段階
正しい音程で 出だし はつきりと つられずに etc.◇曲想の工夫の段階
速さ 強弱 演奏の形 楽器の組み合わせ etc.