福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.125(H10/1998.11) -023/042page

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めあてについての意識調査
 めあてりについて、あてはまる項目をすべて選べるようにした。(○…主体的△…受け身的)
○ア 学習することがはっきりする
○イ めあてがあるとやる気が出てくる
△ウ 先生が書くからめあてを確かめている
△エ みんなで読むからめあてを確かめている
△オ めあての意味がわからない
△カ 意味を考えずにめあてを立てている
△キ 学習にあまり関係がない
 延べ人数ではあるが、○を選んだ児童が全体の約70%になり、事前の約40%と比べると、大きく増加している。

 めあてに対して主体的に取り組もうとする意欲も授業後の成就感も検証授業の後に高まっており、仮説に対する手だては有効であったと考えられる。

IV 研究のまとめと今後の課題

1 研究のまとめ
(1) 課題の個別化ということで、「自分なりのめあて」を立てて学習することにより、学習意欲が増し、集中して活動に取り組めることがわかった。
(2) ポイントカードは、めあてにせまるための手だてとして有効であった。このことから、学習内容をより具体的にすることが大切であると感じた。
(3) 学習活動の中で予想されるつまずきをできるだけ取り除き活動の仕方を身につけていけぱ、主体的に学習する態度が養われていくという確信が持てた。
(4) 評価カードを活用してみて、活動の様子だけではわからない児童の心情面を捉えるのに大変有効であった。また、一人一人の学習の到達状況やつまずきも把握できたので、実態に台わせた支援を行うことができた。
2 今後の課題
(1) 全体のめあて、ポイント、「自分なりのめあて」と、児童が捉えるべきことが多かった。その時の活動のねらいに応じて、めあてのつかませ方の工夫が必要である。
(2) 児童の意欲を喚起するために、児童が学習方法を選択できるように、手だてを講じる必要がある。加えて、児童に学習の仕方をしっかり身につけてやることが大切である。
(3) 児童が満足感を持つのは、「できた」という実感が持てたときである。授業の手だてを講じても、技能面の高まりがないと意欲の向上には結びつかない。毎日の授業で、「できたという成就感」が感得できるよう技能面の向上に心がけていかなけれぱならない。
(4) 自己評価・相互評価は、一人一人の児童を把握するのに大変有効であり、一人一人の児童を支援するのにもまた、大変有効であった。今後も一人一人の児童に適切な支援ができるよう、評価方法について研究を継続していきたい。

* 参考文献
 「小学校指導書 音楽編」 文部省
 「新しい学力観に立つ音楽科の授業の工夫」 文部省
 「授業づくりアイディア全集6 音楽」 個性教育研究会編
 「初等教育資料 No.662、667」 文部省


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