福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.125(H10/1998.11) -026/042page
疑問詞を用いて記入していた。
〈While-reading活動〉
・Story-mapping…作者はどのように問題を解決させたいか記入させた。
・Character-sheet…主人公の最後の様子を理解するため、Looksに焦点を当てて、読み取らせた。
〈Post-reading活動〉
・KWL-sheet…検証授業1と同じ手順で実施した。検証授業1と比較して自ら発した疑問に全員が答えられた。予測した読み方が身についた。
(2) 考察
1(丸囲み) Pre-reading活動から……Word-mappingとKWL-sheetの活用は、背景的知識をまとめ、推論、予測、期待感をもって、読む習慣を作るうえで有効であった。生徒は読む以前から、読解が始まることを実感したようだ。グループ活動により、スキーマの共有や補完のコミュニケーション活動が見られ、内容に関する仮説を形成することができたと考えられる。
2(丸囲み) While-reading活動から……Story-mapの記入により、本文全体に目を向けて、scanning(探し読み)・skimming(走り読み)の習慣を身につけた。このtaskは物語を読むうえで欠くことのできない要素や事実関係を整理し、本文の概要を把握させる手段として有効であると考えられる。また、Character-sheetの活用は、関係のある事がらの部分を注意深く読むintensive reading(精密読み)に発展した。読解の理解度を他との比較によって、読解過程を確認、修正する機会を与える点で効果的であった。
3(丸囲み) Post-reading活動から……KWL-sheetの記入では、検証授業2までに、全員が自分の知りたいことに答えられた。スキーマ活性化させ、読む内容を予測し、自分なりの説を立てて読んでいたことが考えられる。