福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.126(H11/1999.2) -008/046page
体験活動と道徳の時間の関連を図った道徳教育のあり方
喜多方市立岩月小学校
I 主題設定の理由
本校の児童には、素直で明るいなど多くのよさがある。その反面、誰に対しても思いやりの心をもって接する態度やそれを自主的に行動として実践する態度が十分に育っているとは言えない。
このような児童の実態から、本校では『豊かな心をもち、進んで実践する子ども』を育んでいきたいと考えた。豊かな心は、道徳教育の指導内容すべてに通じるものである。この豊かな心を育むためには、他人を思いやる心、美しいもの崇高なものに感動する心、自分自身を見つめる心などを育てることが大切である。「相手の心の痛みがわかり、相手の立場や気持ちを考えて行動できる子ども」に育ってほしいという保護者・教師に共通する願いからも、「思いやりの心」を重点に培っていきたいと考えた。また、思いやりの心を育てることは、生命を大切にする心を基盤に、友達や周りにいる人達を大切にする心へと広めていくことにつながると考えた。そして、思いや願いの心を育てるためには、相手の立場や気持ちに共感できるような感受性を高めていくことが大切である。
思いやりの心の重点化を図る道徳的実践力の育成と道徳的実践の指導を意図的に関連づけ、自らの意志で道徳的行為を行う豊かな心を育んでいきたいと考え、本主題を設定した。II 研究の目標
思いやりに焦点をあてた体験活動を各教科や特別活動・日常生活の中に意図的に仕組み、その体験で感動したり学んだりした子どもの思いを道徳の時聞に道徳的実践カヘと補充・深化・統合し、次の体験での道徳的実践の質の向上に結びつくように「総合単元的な道徳学習(思いやりの心を育てる道徳学習)」の指導を工夫することにより、豊かな心をもち進んで道徳的実践をする子どもを育てる。
めざす児童像 豊かな心をもち、進んで実践する子ども ○相手を思いやった言葉遣いや親切な行いができる子ども ○自他の生命を尊重し、美しいものに感動する子ども ○自分で考え正しいことを実践する子ども III 研究の実際
1 研究内容・方法
(1) 総合単元的な道徳学習(思いやりの心を育てる道徳学習)の研究を通し、豊かな体験活動の充実を図る。
1(丸囲み) 体験活動で得た思いを道徳の時間と有機的に結び付け、道徳の時間を核として、一つ