福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.126(H11/1999.2) -016/046page

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◇シリーズ

福島県の児童生徒の学力の実態と授業改善
−平成9年度学力到達度調査研究から(小学校5年国語、中学校2年国語)−
教育センター学習指導部

【小学校5年国語】
1 「大領域別」に見た到達状況

平成7年度 平成9年度
本県通過率 全国比 本県通過率 全国比
理    解 62.5 101 63.6 103
表    現 77.0 100 77.3 101
言語事項I 50.5 91 53.2 95
言語事項II 61.3 98 62.9 101

 平成9年度の調査では、「言語事項I」は全国平均を下回っているが、「表現」「理解」「言語事項II」は全国平均を上回っている。

2 平成9年度に全国平均を下回った「中領域」

(上段:平成7年度、下段:平成9年度)
中 領 域 本県通過率 全国比
書いた文の見直しと叙述の工夫 78.1
76.8
101
99
語の構成と成り立ち 42.5
45.3
92
98
修飾・被修飾の理解や主述の理解 45.1
47.5
85
90
漢字の読み書き 53.4
54.3
97
99

 平成9年度の調査では、12の中領域の内、上記の表にある4つの中領域が全国平均を下回っていた。特に、「修飾・披修飾の理解や主述の理解」の全国比は90と低くなっている。

3 授業改讐に向けて
 「修飾・被修飾の理解や主述の理解」の指導においては、取り立て指導を充実するとともに、表現や理解の学習を通して児童の思いや願いを生かした授業を展開することが大切である。ここでは、「修飾・披修飾の理解や主述の理解」に焦点をあてて述べてみたい。
(1) 主述関係の理解の実態をとらえる。
 まず、簡単な診断テストを作成し実態をとらえたい。そして、文節の少ない文から、重文、複文、主語が人物(生物)以外の文というように、段階を追いながら児童がむりなく理解できるようにする配慮が必要である。
(2) 文章の述語に着目させる。
 主語が省略されている文について、述語をもとに主語を確かめる発問を工夫すると、文の中における主語と述語の関係を意識させることができる。
(3) 主述関係と修飾・被修飾関係を明確に区別させる。
 連用的な修飾の関係は述語が披修飾語になる場合もあり、主述の関係と混同しやすいと考えられる。そこで、以下のような文例を用いて関係の違いを明確に意識させるとよい。

 赤い 大きな 花が いっぺんに たくさん さきました。


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