福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.126(H11/1999.2) -022/046page

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研究紹介

文学教材を自ら楽しく読み深める指導の工夫

〜「語句指導表」と多様なワークシートの活用をとおして〜

棚倉町立棚倉小学校教諭  小 針 恵美子 

I 主題設定の理由

 本校では、「基礎学カの定着と向上を図る指導のあり方」を研究主題にして、国語・算数の2教科を中心に、子どもたちが豊かな自己実現を図ることができるための基礎・基本の確かな定着と向上をめざして研究を進めている。これを受けて、国語科においては、文学教材を中心に児童が楽しく主体的に取り組めるような授業をめざして実践してきた。しかし、今までの自分自身の国語の授業を振り返ってみると、国語科本来のおもしろさを子どもたちと共有できず、文学教材においても、その作品を十分味わうことができず、子どもたちが主体的に取り組む授業まで到達できなかったところがあった。
 本年度は、学級担任をしていないため、3年生の学級(34名)をかりて研究実践をした。研究対象とした学級の実態は、学力検査の結果でみると、上位児童の割合が少なく、理解・表現領域が落ち込んでいた。特に、理解領域では「叙述に即して読むこと」や「人物の気持ちの読み取り」の力が劣っていた。
 そこで、文学教材をとおし、児童が人物の気持ちや場面の様子を正しく読み取る力、文中の大事な言葉に着目できる力、そして、自分なりにイメージ豊かに読み取る力を付けながら、国語科のもつ楽しさを味わわせていきたいと考え、本主題を設定した。

II 研究仮説

1 研究仮説
 物語文の学習において、文中の大事な言葉に気付かせるため、表現上の特色から分析し 指導方法を位置付けた「語句指導表」を作成して 、意図的・計画的に指導を行い児童が想像したことを思い思いに表現できる ワークシートの工夫を図れば 、児童は人物の性格や場面の情景を イメージ豊かに 楽しく読み深めることができるであろう。

2 仮説のための理論
(1) 「指導法を位置付けた語句指導表の作成」とは………
 単元全体の中で指導すべき語句を明確にした「語句指導表」(次頁)を作成し、読み取りに大事な言葉を単元の「どこで」「どのような手立て」で指導していくかを学習計画や指導過程の中に位置付け、読み深めに生かせるようにしていくこと。
(2) 「ワークシートの工夫」とは………
 読み深めのための表現方法としては、3年生の段階と実態を考慮し、「書き広げ」「書き足す」「書き述べる」の3点に絞り、児童が自分なりの読みを書き込むことができるように工夫


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