福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.126(H11/1999.2) -024/046page
と提示の仕方は、効果的であったかを考察する。
2 ワークシートに書かれた内容を座席表に記入し、本時のねらいがどのくらい達成されたかを数値化し、把握する。
3 ワークシートに書かれた内容と学習後の感想から、本研究の「語句指導表」をもとにした読み取りの指導が効果的であったかを考察する。(2) 授業の概要と考察
1 ワークシートの活用について
授業のねらいに合わせて、ワークシートの内容と提示の仕方を変えたことにより、書かれた内容に深まりが見られた。また、学習後の感想からも、「ワークシートに書くのが楽しかった」という声が多く聞かれた。特に、発表があまり得意でない児童にとって、書くことにより自分の読みを表現し、それを教師に認めてもらえるということは大きな喜びであったようだ。しかし、書きやすいワークシートの大きさや場面の状況を押さえた上で提示するなど、より児童の実態に応じた活用の仕方を考慮していく必要があった。2 座席表の活用について
児童のワークシートの内容を座席表に記入し、本時のねらいの達成度をみたり、一人一人どような思いや考えを抱いたかをとらえたりして、指導を振り返りながら学習を進めてきた。座席表をもとにした課題の到達度は、学習を進めるに従い向上した。特に、深い読みをした児童の紹介を次時で行ったり、読みの浅い児童への個別指導をしたりして、次の授業への見通しがもてたという点がとても有効であった。
3 「語句指導表」の作成について
読み取りの学習の前に、児童の本単元の語句の理解度を調査した。その結果、戦争に関する語句の意味のわからない児童が多かった。そこで、本単元に入る前に作成した「語句指導表」を見直し、これらの語句を難語句として位置付け、作品の背景である戦争の状況を3年生の児童にも理解できるように、具体的な指導を展開した。特に「空しゅうけいほう」や「ほしいい」