福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.126(H11/1999.2) -026/046page
(2) ワークシートの活用
2 今後の課題
ワークシートの活用により、一人読みの場を毎時間設定したことは、児童が文中の大切な言葉に着目できる力を身に付けるのに効果的であった。児童の読みは教師の想像をはるかに超えていて、多様な考えを書き込んでいた。また、学習後、発表できなかった児童の他の考えを知るのにとても有効であった。
(3) イメージ豊かに読み深めること
学習後の感想にかかわるアンケート調査で、「ちいちゃんのかげおくりの学習は楽しかったですか」との問いには約9割の児童が「楽しかった」と回答した。あとの1割は「ちいちゃんがかわいそうだからふつうです」と書いていた。学習を進めていく中で児童の読みが深まり、登場人物の気持ちによりそって学習していたことを知り、改めて文学教材の持つ奥深さに実感した。
(1) より効果的な「ワークシート活用の手引き」を作成し、児童の学び方を身に付けていく必要がある。
(2) 一人読みに生かすワークシートについては、多様な何種類かの用紙を準備し、児童が自分の読み取りに必要なものを選択できるような自己教育力を育てていけるワークシートヘと改良・開発していく必要がある。
(3) 「語句指導表」で理解させた語彙を、日常の中で使用できるような語彙へと深めていく必要がある。
(4) 一人一人の読みの力をより正しく深いものにするためには、指導者側の教材研究をさらに深めていかなけれぱならない。* 参考文献
「小学校指導書 国語科編」 文部省
「豊かな読みをめざす語集の指導」 明治図書
「実践国語研究」No.134、148 明治図書
「文学教材で何をどう学ぱせるか」 東洋館出版社