福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.126(H11/1999.2) -032/046page
日常生活と関わりのある素材を教材化したものづくり活動(小学校 理科 6年)
1 観察・実験の工夫
(1) 思考活動を活発にする工夫
単元の導入時に児童一人一人が「ものづくり」を行えば、自ら課題を見出し、問題解決の意欲が高まり、思考活動が活発になると考えた。そこで、児童の身近にあるものを使ったスピーカーづくりを授業に取り入れた。
(2) 目常生活と関わりのある素材の教材化
1(丸囲み) 簡易スピーカーの開発
○ 磁石にコイルを付け、それに空き缶やヤカンなど振動体をのせるだけで簡単に製作できる。
○ コイルをラジカセ等のイヤホン端子に接続すると、音声が流れる。コイルに触ると、振動していることや熱をもっていることがわかる。
○ マイク端子に接続すると、マイクにもなる。
○ エネルギー変換の見方や考え方を育てることができる発展的な教材である。2(丸囲み) コイルの発熱をわかりやすくする工夫
電流による発熱を調べる実験では、簡易スピーカーのコイルの部分に変色温度の異なる2種類のサーモテープをはり付ける。このサーモテープの色の変化から、電流による発熱のおおよその温度範囲を視覚的に知ることができる。2 実践
(1) 単元の導入時に児童一人一人が簡易スビーカーづくりを行った。
(2) 手作りのスピーカーをラジカセのイヤホン端子に接続し、音声を流す実験を行った。
「どうして音が聞こえるのか」「もっとよく聞こえるようにしたい」という児童の疑問や願いをもとに課題作りを行った。
(3) コイルに張り付けたサーモテープの色の変化から、電流が流れると発熱することを観察する学習を行った。
3 成果
○ 導入時におけるものづくり活動は、関心・意欲を高め思考活動を活発にするうえで有効であった。
○ 日常生活と関わりのある素材を教材化したことで、実験結果を今までの体験や学習内容などと関連付けて考えられるようになり、思考活動が活発になった。