福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.127(H11/1999.7) -040/042page
情報教育ニュース
インターネットを安全に利用するために
情報教育部 主任指導主事 佐 藤 和 紀
はじめに
これからの学校教育においては、インターネットの活用を通して、情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識と技能を習得させるとともに情報を主体的に活用する態度を育てる必要があります。しかし、インターネット社会は善人だけが住む世界ではなく、限りなく現実に近い社会で、悪意も犯罪も事故も存在するのです。
ここでは、インターネットを安全に利用するために知っておきたいいくつかの不正行為を紹介します。
1:相手に記録される個人情報
ホームページにアクセスしただけでそのぺ一ジのあるコンピュータに次の内容が記録される可能性があります。
(l) あなたが利用しているプロバイダ(インターネット接続会社)のコンピュータ名
(2) アクセスした時間
(3) 使用しているブラウザ名(ホームページを見るためのソフトの種類)
直接不正行為とは結びつきませんがあなたがそのぺ一ジにアクセスした事実が相手に知られます。
2:電子メールの盗聴・改ざん・なりすまし
通常使用している電子メールは複数のサーバコンピュータを経由して相手に届けられます。その径路にあるサーバの管理者はあなたのメールの内容を見ることが可能です。メールの内容を書き換える「改ざん」や他人のメールアドレスを使った「なりすまし」による被害が考えられます。
3:ねらわれているパスワード
インターネット初心者の方やあまりインターネットを使用しない方のパスワードは、コンピュータの不法侵人者(イントルーダー)や攻撃者(アタッカー)、破壊者(クラッカー)の絶好のターゲットです。それは盗みやすいし、盗まれたことになかなか気付かれないためです。不法侵入者はあなたから盗んだパスワードを使ってそのターゲットとなるサーバコンピュータヘ侵人します。
おわりに
インターネットを上手に活用するためにはそのメリットと危険性をしっかりと認識し、自らの責任でインターネット犯罪から身を寸るしかありません。また、学校におけるコンピュータ教育のなかで、インターネットの不正行為から身を守る方法も伝える必要があります。
〈参考文献〉
・インターネットマガジン(技術評論社)
・NEC技法第51巻第9号(日本電気株式会社)