福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.128(H11/1999.11) -006/042page
けないのだと私は思います。それにはやっぱり「楽しい学校」なんです。
私は10年前に生活科という小学校に新しい教科が入って、それを推進する仕事を担っていたのですが、そこでは、楽しい授業づくりをしたいと考えたのですけれど、多くの先生方は冷ややかでした。「そんな馬鹿な!」と必ず言いました。「楽しいだけでいいのですか」と。その背後には「授業は楽しいばかりではない。涙をぼろぼろ流してがまんとがんばりでやるものだ。」という、そういう授業観や学校観があったのだと思います。それは本当でしょうか。先生方にもう一度考えてもらいたい。
大人がプロ野球を観る、Jリーグを観る、映画を観る、これは楽しいからです。同じように子どもたちに元気を出させる、やる気を出させるには、やっぱり授業を楽しくしていくことが大切だと思うのです。
「いや、楽しいものではありません。そもそも授業は。」そんなこと言わないで。(笑い)楽しい授業をするにはどうすればいいかが大切になるのです。先生の話を聞くだけでは楽しくありません。何か子どもたちにさせると子どもたちはそこに楽しさを求めます。先生だけよりも地域の人に話をしてもらえば子どもたちは目を輝かせます。ビデオやテレビを観れば先生が話すよりずっと子どもは引きつけられます。教室の中だけでなく、時には外に調べに行ったり探しに行ったりすれば、それだけで子どもたちは元気が出ます。そういうことを積み上げていかなければ「楽しい学校」はできないと思います。
6 「自ら学び自ら考える力の育成」の継続を
3つ目は、「自ら学び自ら考える力の育成」です。要するに自主的に取り組むという姿勢を大切にすること。このことは今までやってきたことです。「自主性を育てる」だとか「主体性を育てる」という研究テーマを、これまでいやというほど聞いてきました。しかし、それがまだまだ自主的に、主体的になっていないという反省がこの3つ目に託されているのだと思います。やっぱり継続課題であり、学校の授業というのはお仕着せではないか、「みんなこれを覚えなさい」「これができますか」という「あてがい扶持の授業」ではないか、そういう授業をもう少し子どもが自分から進んでやっていく授業に変えるにはどうしたら可能なのかということ、だからこれまで「わかる授業」を追究してきたのと同じように、これからもやっぱり力を入れていかなければならない大切なことだと言えると思います。
7 「特色ある学校づくり」の意味するもの
4つ目にあるのは「特色ある学校づくりをしましょう」というものです。私に言わせれば、これは新しい問題提起をしているのだと思います。私は今度の学習指導要領についてのポイントを2つあげなさいと言われたら、1つは「特