福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.128(H11/1999.11) -007/042page

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色ある学校づくり」だと思います。これは、これまでの学校の在り方の方向転換を意味していると思います。これまでの学校は、横並び学校でした。みんな同じようにしているか、教科書を最初から最後までやっているかなど。そういうのがこれまでの学校の基本姿勢です。他の学校と変わらないというのが学校づくりでありました。だから端的に言うと20世紀の学校は横並び学校。しかし、21世紀に向けてこれから始まる学校は特色ある学校づくり。こういうふうに置き換えていい。これは大きな方向転換だと思います。

特色ある学校づくりというのは、これは要するに「各学校がそれぞれに違っていてもいいのです。」ということを前提としています。いや、「違っているからいいのです」。こういうふうに求めているのだと思います。だから、それぞれの学校がそれぞれの教育活動を展開していくことがこれからの21世紀の学校に求められている重要な事柄だということなのです。これは、横並びから違っていてもいいのですよ、というんですから言うまでもないことです。でも、私たちの意識の中にはどうしても横並びの学校観があります。長い間横並びの学校観でしたから「特色ある学校ということで違っていていいというが、それで公教育はいいのですか。」と必ず考えるでしょう。しかし、このように考えてみてください。私立の学校はどうでしょう。公教育をしていませんか。みんな公教育をしています。日本人としての公教育をしているんですよ。学習指導要領に沿ってやっています。その上で特色ある学校づくりをしています。だから公立学校も、べ一スは学習指導要領の中に示されている。しかしこれまで細かく求めていたものを、例えば1・2年、3・4年、5・6年というようにセットで目標・内容を決めました。そういうふうになっていないのは算数、理科と社会科の5・6年だけです。後はみんな2学年共通で出しています。1学年で何を教えるか、2学年で何を教えるかは学校で決めて下さい、といっているのです。こういうふうに枠組みが非常に大きくなっている。

あるいは、これまで小学校で45分、中学校で50分だった授業を20分、25分の授業にしようが60分にしてやろうが学校でどうぞ、というんです。これも今までとはまったく変わっているんです。そういうところに「特色ある学校」というものをそれぞれの学校で工夫してください、といっているんです。

8 「総合的な学習の時間」をつくるのは特色ある学校をつくる上で最も重要なポイント

そして、特色ある学校のもっとも重要なポイントが、実は5つ目の総合的な学習をつくるということです。「総合的な学習の時間」というのは、先生方既にご案内のように、目標も内容も決めてありません。それぞれの学校で決めて下さいといっているんです。これはそれぞれの学校で工夫する以外にないと。そういう新しい方向は世の中の流れとやっぱり深く関わっているんです。

これまでなぜ横並びの学校であったかといいますと、文部省側がどうぞご自由にといったらどんな学校ができるか分からないという心配があった。そういう心配が今まであったのは確かです。それはなぜか。アメリカとソ連が別れていたからです。20世紀後半はアメリカとソ連が別れていた時代です。それは学校の中にもきちんと入っていたんです。だから学校の中が2つに別れていた。これは先生方ご案内のとおりで


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