福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.128(H11/1999.11) -010/042page
いますが、その改善だけで学校はよくならない。学校というのはほとんどが授業時間なんです。授業が学校の仕事だとみんな思っている。学校を楽しくするなら授業を楽しくすればいいのです。その授業には、総時数というのがあります。1年間にどれだけ授業する時間があるかということです。中学生は1050時間、小学生は、6年生が1015時間、1年生は850時間。これは現在のですよ。平成14年度からは70時間削ればいい。新しい学習指導要領ではそれだけ少なくなるんですね。要するに総時数があり、この時間が先生方の仕事の時間であり、子ども達の仕事の時間であると考えて間違いありません。
で、この総時数というのはどのように振り分けられているのかというと、各教科、道徳、特別活動に振り分けられています。この3つに振り分けられている。
では、総時数でどのように振り分けられているかというのを考えてみると、大体道徳と特別活動を合わせて1割強です。各教科が9割弱ですね。こういうふうになっている。だから、先生方にとっても子どもたちにとっても、「学校とは何するところだ?」と言われると国語、算数、理科、……、これらを勉強するところだということになります。だから、今学校に問題があるとすれば、学校のどこに問題があるかと考えるときには、9割を使っているところに問題があると考えなければならない。
こういうふうに3領域になっているんですが、12年度からはこのようにもう1本足が出るんです。それが総合的な学習の時間になります。このことを考えただけでも新しくつくられた足なんです。要するに、総合的な学習の時間というのは特別活動でもない、道徳でもない、各教科でもない、と考えなければならないのです。だから4本目の足なんですね。「ゆとりの時間」というのが前にもありました。今でもあるんですけど、5日制が入ってきて時数にゆとりがなくなって来ていますからなくなっているかもしれませんが。
ゆとりの時間というのはいくらか余っている時間があり、余っている時間は、これに使ってゆとりを持たせてください、と言っているだけのものでした。ですから、ゆとりの時間と総合的な学習の時間はまったく違う。で、この総合的な学習の時間とはいったい何か、これがポイントです。なぜこれをつくるのか。1番目のポイントです。これをつくることによって、これ