福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.128(H11/1999.11) -011/042page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

は3時間ですから大体100時間です。全体の1割強を占めます。そして、今度は中学校ではクラブ活動がなくなったりしますから道徳と学級活動が併せて1割弱で、各教科が8割となります。

このことについてどう考えるかという問題ですが、まあいろいろ考え方があると思います。自分の好きな教科が先生方にはあるでしょう。自分の教科の時数を減らされて何でおれの好きな教科が減らされるんだ。例えぱ、国語の先生は「伝統的な国語教育をいったいどう思っているんだ。」と必ず食ってかかるじゃないですか。音楽だって「心を育てなくてはならない世相に音楽を削らなくてはいけないとはどういうことか。」みんなそう言います。

総合的な学習の時間をなぜつくるかということについては説明してあります。これをつくった中央教育審議会とか教育課程審議会がつくると言い出したのですから。その答申の中に書いてあるのは先生方ご案内のとおりです。

10 総合的な学習の時間をつくる3つの理由

なぜつくるのかという理由が3つあります。私の分析によると3つです。1つは生きる力を育てること。2つは、現代社会の課題を勉強するため。3つは、特色ある学校をつくるためです。

この3つでほとんど言い尽くされていると思います。この3つを聞いて先生方納得しますか。なかなか納得できないと思いますよ。

生さる力とは何だ。今まで生きる力は育ててこなかったのか。死ぬ力を育てて来たわけではない。(笑い)現代社会の課題、環境、情報、パソコンだってやってきています。なぜ?特色ある学校だって運動会、給食いろいろ学校で工夫してきました。

ここにおられる先生方はこれから21世紀の学校づくりをしていくリーダーとなる先生方だと思いますが、学校に戻ってまもなく子どもたちや地域の方などに説明していくことになるでしょう。さて、納得いくように説明できますか。自分が納得していないのに説明できますか。そんなのはすぐ見破られます。「先生もやりたくないんだよな」と。だから自分で考えなければならないのです。やってみようかなと思う人は自分なりの説得力を持たなくてはだめだと思います。

そこで、一つの参考になるかと思い、私はどう考えるかをいいます。私は総合的な学習は大変だと思います。しかし、今、やっぱり学校は多くの課題を抱えているんだから、学校のどこかを直していかなくてはならないんです。今までの学校で今の問題は解決しません。だから、何か新しい21世紀の学校をつくろうとしているんだと思います。

わたしのポイントはこの「総合」と言う言葉にあります。これは、反対のことぱは国語辞典に書いてあります。それは「分化」です。「総合」という言葉は「分化」という言葉があるからです。この「分化」を「分科」と置き換えてもらいます。すなわち各教科です。だから、総合という言葉は各教科があるからだと考えれぱいいのです。各教科がなけれぱ総合なんて言わないんです。分かれているものがあるからまとめるものがあるんだ、と考えれぱいいんです。

また、これまではまとめるものがなかった、そう考えれぱいいんです。じゃあ各教科と言うものはどうなんだ、と思うかも知れませんね。各教科の時数は、新しい学習指導要領で8割、各教科がなくなる時は学校がなくなる時だと言


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。