福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.128(H11/1999.11) -013/042page

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シリーズ

学力向上のための指導の在り方

〜学力向上のための授業改善に関する調査・実践研究(小学校5年算数)から〜

教育センター学習指導部

はじめに

教育センターでは、「学力向上」を目指した授業改善に資するため、平成6年度から一連の調査・実践研究を行ってきた。
ここでは、昨年度より行ってきた実践研究から、「小学校5年算数」について述べる。

1 研究の視点

平成9年度に実施した学力到達度調査では、4つの大領域の中で「量と測定」の学力が最も低いことが分かった。その中でも「単位量あたりの数量」、「いろいろな図形の面積」の中領域が弱点と考えられる。そこで、以下の視点で研究を進めた。

 (1) 「いろいろな図形の面積」

 [1] 既習の面積の求め方に結びつける考えを大切にする。
 [2] 多様な考えを引き出し、それぞれのよさを感得させる。

 (2) 「割合のくらべ方と表し方」

 [1] 児童に提示する問題の内容を吟味する。
 [2] 児童がつまずく言葉 注) に配慮した指導をする。
  注) 本研究では「〜あたり」「こみぐあい」をさす。
 [3] 問題の提示の仕方を工夫する。

紙面の関係上、この中の4つの実践を紹介する。

2 実践研究

(1) 「いろいろな図形の面積」の授業

台形の面積の求め方を考える授業で、次のような取組みをした。

[1] 既習面積の求め方に結びつける考えを大切にする

ア 授業の実際

【資料1】
袋の中に入れた台形の厚紙を既習の図形に見えるように取り出す

面積の求め方としては、前学年までは長方形、正方形、前時までに平行四辺形、三角形について学習した。これらの面積の求め方を生かして台形の面積を求めることが学習のねらいとなるが、台形から既習の図形を見い出すことができるかどうかがポイントとなる。そのために、台形を既習の図形に置き換えてみる感覚が必要になると思われる。そこで、単元を通して図形感覚を養うための時間を毎時間確保した。その手だての一つとして、袋の中に入れた台形の厚紙を既習の図形に見えるように取り出すことを行った。【資料1】

イ 考察

この授業では、台形の面積の求め方として児童から次のような考えがだされた。【資料2】


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