福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.128(H11/1999.11) -015/042page
う言葉からどのような様子をイメージするか自由に発表させ、「こみぐあい」の意味をとらえさせた。
【資料4】 さらに、敷物の上に児童を立たせ、「こみぐあい」を体感させる活動も行った。
イ 考察
【資料3】の指導展開は、とらえさせたい言葉について、児童がどれだけの関わりがあるかによって展開が異なると思われる。また、敷物に児童が立ち、それと同じ「こみぐあい」をつくるには、どうすればいいのかを考えさせることで、同じ大きさでは同じ人数とか、敷物を半分にしたら人数も半分にすること、さらに、立ち方によって「こみぐあい」は違わないことにも気付かせることができた。
[2] 問題提示の仕方を工夫する
本時の問題は、次のとおりである。
安田さんは、デパートのバーゲンセール会場でお手伝いをすることになりました。会場は3階だてのビルで、1階・2階・3階に分かれています。安田さんは、一番こんでいる会場のお手伝いをすることになりました。さて、どの階のお手伝いをすればいいでしょうか。
3階………40人(500m 2 )
2階………30人(500m 2 )
1階………30人(300m 2 )
ア 授業の実際
【資料5】のように数値を一度に示すのではなく、1階と2階、2階と3階、と順に提示した。これにより、「1階と3階ではどちらがこんでいるのか」という疑問が生まれた。そこで「3階と1階では、どちらがこんでいるかが分かる方法を考えよう」という課題で学習を進めた。その後、「一人分の面積」、「1m 2 あたりの人数」や「面積の公倍数」等で自力解決を図った。
【資料5】
イ 考察
問題の提示を3階分すべてを一度に提示するのではなく、すぐに比べられるものから考えさせることにより、一方の量をそろえるという考え方を強調することができた。このような手順で進めたことにより、本時の課題を児童自身でみつけることができたものと思われる。
3 研究のまとめ
紹介した実践はいずれも効果があったが、単位時間に限った指導方法である。単元全体、あるいは関係する領域において意識的に指導する必要がある。
なお、今回の研究に当たっては福島市立清明小学校 遠藤直樹教諭、坂本真理教諭に授業実践、資料提供をしていただきました。詳細は、「研究紀要Vo1.28」(福島県教育センター平成11年5月)をご覧ください。