福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.128(H11/1999.11) -018/042page

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などが書かれていました。そして、最後に「もし先生と話をしてもいいときは、同封した紙を手渡すように」と書き添えていました。

【相談室での面接】
先生:よく来てくれたね。
景子:はい。……
先生:景子さんに謝ろうと思って。
景子:そんなことありません。……いろいろ心配してくれていることがわかって、うれしかった。……
大木先生は、感想カードと一緒に手紙を入れておきました。

景子は、直子から文句や陰口を言われたり無視されたりしてきたこと、9月に入ると、直子はさらに周りの生徒を巻き込もうとしていたこと、そんな中で学級委員の芳子たちがやさしく話しかけてくれていたことなどを話しました。

先生:よく話してくれたね。
景子:(下を向いたままうなずく)……
先生:つらかったね。
景子:(大木先生を見て)はい。

景子の頬に涙がすっと流れ落ちました。

〈直子へのかかわり〉

直子は、成績もよく、活発な生徒でした。はっきりとした言動がとれるため、女子のリーダー的存在でした。大木先生は、直子が景子をいじめているという情報に耳を疑いましたが、注意深く観察していくうちに、今まで知らなかった直子の姿が見えてきました。時折厳しい目つきで友達をにらみつけたり、命令口調で用事を言いつけたり、グループの女子は仕方なく付き合っている様子でした。大木先生が景子にかかわっているのを気にする直子は、さらにいらいらした感じを態度で表すようになりました。

大木先生はこうした機会を逃さずに、直子に話しかけました。ところが、景子のことで何か探っているのではないかと警戒する直子は、なかなか心を開こうとはしませんでした。放課後話しかけようとすると、塾があるからと言って帰ってしまうのでした。

放課後の教室で直子が泣いていました。部活動の練習中に、顧問の先生から厳しく注意を受けたらしいのです。

直子:……
先生:もしよかったら……相談にのるよ。
直子:先生には関係ありません。

大木先生には、直子の言葉とは裏腹に揺れる気持ちが伝わってきました。その後も、さり気ない声かけと面接の誘いかけを続けました。それから5日後、直子は相談にやってきました。

部活動では厳しい練習についていけず、勉強面では優秀な姉と比較され、コンプレックスに押しつぶされそうになっていること、さらに自分の気持ちを話せる友達がいないことなど、普段の直子からは想像もつかない悩みや不安、ストレスがあることを知りました。

大木先生は、ひたすら直子の話に耳を傾け、気持ちをわかろうとしました。「誰も私のことをわかってくれなかった。寂しかった。」という直子の気持ちを受け止めました。直子は、景子を仲間外れにしていたことを話し始めました。


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