福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.128(H11/1999.11) -020/042page

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研究紹介

表現力を高めるための指導

〜聞くことの意識付けとインタビュー活動をとおして〜

いわき市立平第一中学校教諭  橋谷田聡

I 主題設定の理由

本校国語科では、指導目標として「自ら考え正しく判断する力を身につけさせ、基礎的基本的内容の理解の定着を図るとともに豊かな国語力を育てる。」をねらいとして研究を進めている。表現領域での指導では、理解教材と表現指導の関連を図り、書く時間と場を多く設定し、時にはディベートやディスカッションなどの授業を試みてきたものの、表現力の育成に結びつかないというのが現状である。

生徒の国語に対する意識調査よると、苦手意識が強く、難しいと感じているものはやはり「書くこと」「話すこと」の表現領域である。それに反して、「聞くこと」や「読むこと」に関しては、簡単にできると考えていることがわかった。学習指導要領によると、中学校1年生の「理解」の目標、「話の文章の内容を正確に理解する能力を高めるとともに、進んで話を聞き、読書に親しむ態度を育てる。」とある。聞き取りについては、指導事項としては設定されてはいないが、「必要な内容を正確に聞き取らせる」ような指導が望まれるとある。話合いにおいては、「話合いにおけるそれぞれの発言を注意して聞き、話合いの方向をとらえて自分の考えを持つこと」とある。「聞くこと」が、話し合いを充実させ、理解活動を助け、さらに自分の表現を生かすための基本的な能力であると考える。そこで、意識して聞き取らせることと「聞くこと」「話すこと」を短時問の中に組み立てられるインタビュ一活動の実践によって、表現力が身につくであろうと考えて、上記の研究主題を設定した。

II 研究仮説

表現の指導において、「話すこと」と「聞くこと」との関連を図り、正確に聴き取るための意識付けと取材学習の中でのインタビュー活動を行えば、表現活動への意欲が高まり、自分や相手の考え(思い)を正確に伝える表現力が向上するであろう。

III 研究の実際と考察

1 検証授業計画

(1) 単元名「表現2」体験を振り返って

(2) 単元の目標

[1] 自分が感情を動かされた体験を振り返り、その思いを進んで伝えようとする態度を育てる。
[2] 読み手、聞き手を意識し、わかりやすく工夫された表現をする。
[3] 他の生徒の発言を聞き、書き出しや構成、表現についての工夫を理解する。
[4] 書き言葉と話し言葉の違いを捉えさせ、


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