福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.128(H11/1999.11) -031/042page
を生徒が自覚し、意識して取り組むようになれぱ自主的・自発的な活動が展開されるとともに、スポーツの楽しさや意義を理解し、運動に親しむ能力と態度の育成が図れるであろう。
(2) 選択制授業が生徒にとって、より自主的・自発的な活動となり、また種目の専門性を身に付けるためには、評価システム・役割行動の導入が効果的であろう。
(3) 用語について
評価システムとは ○ ルール並びに条項に関する筆記試験
筆記試験(50点満点)−教師作成
○ 試合中に示される技能と戦術
自己・相互評価表に記入(ABC)
○ ゲームの審判−自己評価表に記入
(回数)
○ ゲームの得点係−自己評価表に記入
(回数)
○ 役割行動―自己・相互評価表に記入
(ABC)
役割行動とは (種目の中で全ての生徒が、必ずいずれかに所属し毎時間活動する。)
○ キャプテン
班のまとめ役・他の役割行動状況の把握・準備体操
○ 準備係
用具の準備・後片付け・評価表のファイル管理
○ 計画立案係
学習活動の計画作成と必要に応じてルール設定
○ コーチ
練習計画表作成・実施
○ チームウォッチャー
グループ内相互評価表のまとめ役2 授業の実際
協力校において、選択制授業を本格的に実施したのは2年前からであり、それまでは部分的にある期間(学期末)のみ生徒会行事(スポーツ大会)の種目と連動させて行っていた。なお、3学年の体育は3単位である。
〈授業の流れ〉
・出席確認
↓
準備体操・補強運動
↓
本時の練習
↓
ゲーム及び必要に応じ練習
↓
自己評価表記入
↓
まとめ
2分
5
10
25
5
3
3 授業の実践と考察
(1) ルール並びに条項に関する筆記試験の平均点を見ると、女子よりも男子の方が高い。これは、男子の方がスポーツに接する機会とそこから得た知識が多いためではないかと思われる。また、この筆記試験に関しては、生徒たちにとって「種目の専門性を深めるために非常に役立った」という意見や、ルールを知ることによって「ゲームを見るのも行うのも楽しく感じることができるようになった」という意見もあった。また指導する教師からは、「今までの評価はどうしても技能面に偏った評価が多かったが、このルールテスト等により、技能面と理解面を合わせて評価するようになったのでよかった」という意見がでた。