福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.129(H12/2000.2) -010/042page
シリーズ
学力向上のための指導の在り方
〜学力向上のための授業改善に関する調査・実践研究(小学校5年国語)から〜
教育センター学習指導部
はじめに
教育センターでは、「学力向上」を目指した授業改善に資するため、平成6年度から一連の調査・実践研究を行ってきた。
ここでは、昨年度より行ってきた実践研究から、「小学校5年国語」について述べる。
1 研究の視点
平成9年度に実施した学力到達度調査において、本県の小学5年生は、「修飾・被修飾の理解や主述の理解」の中領域が全国平均を下回っていることが分かった。そこで、以下の3つのことに焦点を当て、研究を進めた。
(1) 児童の実態をとらえる。
(2) 主述の関係についての理解を深める。
(3) 主述関係と、修飾・被修飾関係とを明確に区別させる。2 実践研究
【資料1】 (1) 児童の実態をとらえる
児童に対して情意面及び認知面についての実態調査を事前と事後に行い、授業を改善する上での資料にするとともに、児童の変容をとらえる。
その結果、述語の直前の語を主語として誤って選んでしまったり、修飾語の直後の語を被修飾語として選んでしまったりと、主語や修飾・被修飾語の概念を十分に理解していない児童が少なくないことが分かった。
(2)主述の関係についての理解を深める
そこで、主述の関係については、第5学年の指導内容「文の中での語句の係り方や照応の仕方を理解して、いろいろな文の構成があることを理解すること。」の中で繰り返し指導する必要があると考えた。