福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.130(H12/2000.7) -004/042page
ないでしょう。これからの教育を考えた場合、生徒にとって魅力ある学校であり、親の期待や地域の実情を踏まえた教育活動を展開している、そういったことが大切なのだと思います。21世紀という激しい時代に主体的に対応し、たくましく生きる生徒の育成を図るためにも、「特色ある学校づくり」は必要不可欠なことです。
また、諸調査や実態把握などから、今の生徒たちの考えやその将来への思いをとらえていくと、次のような取り組みが中学校時代には大事なのだと考えています。それは、これまで行われてきた以上に地域社会との連携を図り、生徒一人一人に自らの人生や生き方について考えさせる必要があるということです。幸い、本校の場合、学区内に様々な施設や企業があります。また、積極的に学校への協力を申し出てくださる方も大勢います。そのようなことから職業体験学習を行ったり、保護者を招いて経験を聞く会を行ったりしていることなどが本校の特色の一つだと思います。
金子 提言の背景ということで言えば、両先生のおっしゃったことと同じだと思います。つまり子供たちを含めて私たちを取り巻く社会環境の急速・急激な変化が大きな背景になっていると思います。こうした状況を生き抜く力を子供たちにどのように植え付けていくかということになってきますと、従来の手法では対応できなくなってきているのではと感じています。高校は今、生徒を選ぷ時代から生徒が高校を選ぶ時代へと変わってきているという受け止め方をしています。ですから、各高校はそれぞれの地域にあって「魅力づくり」、私は「特色ある学校づくり」を「魅力づくり」と置き換えていいますが、「魅力づくり」にいっそう努力しなければならない時代になってきていると思います。
金子一夫先生 本校の特色ですが、地域の要請に応えうる進学校になってきたと同時に、そうならなければならないということがまず言えると思います。というのは、就職者が1%で、95%以上の生徒が4年制大学へ進学を希望しており、その他の生徒も専門学校などへ進学しているという実態があります。本校には、理数科があり、地域の理解を得て高いレベルの生徒が集まってきています。それに普通科が競合する形で学校全体が活性化している。進学の面で生徒たちの自己実現を図っていくことが私たちの使命だと思っています。また、生活指導面もかなり厳しい方だと自認しています。特に、服装指導等生活の規律は厳しくということを意識的にやっております。その理由は、生活の乱れがあるとやはり学習に集中できなかったり、興味が他方面へ行ってしまうというようなこともありますので生活指導は特に厳しくということで行っております。そのことについては地域のご理解もいただいております。
司会 芳賀さんは現在、福島女子高等学校のPTA会長という立場でいらっしゃるわけですが、これまで小学校でも会長さんなどの役職をお務めになってこられた方とお聞きしています。本日は高等学校のPTA会長としてももちろんですが、小・中学校でも学校の運営を間近で見てこられたという経験からご意見をお願いするわけですが、保護者の立場からは「特色ある学校づくり」が求められるようになったことをどのように受け止めていらっしゃいますか。