福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.130(H12/2000.7) -006/042page

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コウゾを育てる畑の整備、技を伝える教育力などがうまくかみ合っていなければなりません。それこそ地域の様々な活動や環境、人々の営みが多様に影響し合っていると思います。この場合、和紙づくりの復活にとって「卒業証書」が多様な視点の一つであり、きっかけだったと考えております。これからの学校教育には、内部と外部から多様な目で自校の教育を見直し、組み立て直すことが求められていると思います。3人の校長先生方には、現在まで培ってきた学校の教育活動を基盤として地域の方々の願いや新しい視点を取り込んで、それを発展させる形で学校の特色を考えていらっしゃることを伺い、共感を覚えました。また、芳賀さんからは、学校の特色が授業内容やカリキュラムづくりに直結するのではないかというお話をいただきましたが、それがないとその学校ならではの教育が具体的に推進できませんのでまさに当を得たご意見として伺いました。現在、教育改革の提案のもと教育の規制緩和や改善が進み、学校に積極的に取り組んでいただく環境が広がっております。例えば「通知」の形を取る文書が少なくなり、「依頼」が増えております。これは、教育行政と学校とのパートナーシップを重視する形の表れです。また、特色ある学校づくりの取り組みにしましても、特定のモデル校を作って研究してもらうという発想より、各学校の取り組みを充実していただくためにどのような形で支援をしていくかという姿勢を重視しております。これまでにも、加配教員による授業の充実や特別非常勤講師の活用による外部の教育力の導入など人的環境の整備に取り組んできたところです。また、秋には新教育課程説明会を開くなど教育改善にも取り組んでまいります。学校の教育活動を一層充実していただくための総合的な支援はどうあればよいかが課題です。

2 学校のおかれた状況を生かすための目の向け方はどうあればいいのか

司会  学習指導要領では各学校が児童生徒や地域の実態等を十分踏まえて創意工夫を生かした教育活動を行うよう求めています。各学校はそれぞれ異なる環境にあるわけですが、家庭や地域社会との連携といった場合、高等学校では難しいようにも思われますが、金子先生、いかがですか。

金子  本校の場合ですが、1市何町村という広がり、中学校の数でいえば20数校の中学校から生徒が集まってきます。このような状況もあって、高校というところでは一般に、学校は家庭を、家庭は学校を互いに知らなすぎると思います。なかなか小・中学校のようにいかない現実があります。だから、やはり高校の立場からすれば、家庭や地域社会との連携の前提としてはお互いの認識のずれをどれだけ的確に把握して、それをつめていくことができるかにあるのではないか。ご存知のとおり、高校には普通科をはじめとして、それぞれ校種があり、それぞれに地域の中で使命があるはずです。本校はこの3月、男女共学の1期生が卒業しました。進学指導の面では、特に女子の指導に配慮し、一人一人の個性や特性を大切にし、進学指導のノウハウを手探り状態の中で作り上げてきました。結果としては、女子の健闘もあり、国公立現役合格100人という目標を達成することができました。これは予想を越えた結果だったと思っています。このような努力を通して地域の信頼を得ることが出来たかなと考えております。

司会  子供たちの個性把握という話が出されましたが、小学校や中学校の場合も、学校の置かれた状況を生かすには、まず子供たちの実態に目を向ける必要があると思われます。しかし、子供たちの実態を踏まえるということは以前から言われているわりにはあまり機能していない


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