福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.130(H12/2000.7) -011/042page
ではないかとも思います。
4 「特色ある学校」具現のための取り組みを通して、子供たち、そして教職員はどのように変わるのか
司会 それでは、「特色ある学校」の具現に取り組むことによって、子供たちの学校生活はこれまでのものとどんなふうに違ってくるのでしょうか。学習活動に焦点を当てながらご意見をお聞かせください。
藤田 何と言っても、これまで与えられたものを学ぶという受け身の学習だったのが、自ら学び自ら考え、問題を解決する能力、学び方やものの見方・考え方の習得が図られるわけですから、個性を発揮して生き生きと学ぼうとする子が増えることを期待したいと思います。その活動によって自分のぺ一スで自分なりの考えで行うのであり、人との違いを気にする必要はないわけです。そのことがやがて逆に自分と違う見方や考え方を尊重する姿勢を生み出すものと考えられます。「○○くんは自分と全く違った考えをした。すごい。」といった異なるものを受容する考えから、集団の中で感動と共感が図られ、共に磨きあい向上しようとする姿勢を身に付けていくことになる。究極的には、学ぶことの意義を見出し、自ら課題を見付け、それを解決していこうとする、そういう子になっていくと思います。
そうしたことを実現するためには、教師は、次の3つのことができるようになり、児童が主体的な学習者として成長できるように児童を後押しする教師への「教師自身の自己変革」が必要だと思います。
[1] 主体的に学習を進められるだけの基礎・基本の定着を図り、学び方が身に付く指導を行 う必要性を自覚すること。 [2] 学校、児童、家庭を含む地域社会の特性を一層明確に把握し、それを生かそうとすること。 [3] 教えることと考えさせることをより厳しく吟味して指導に当たること。 荒海 藤田先生と同じ意味になると思いますが、自分の興味・関心を大事にし・ながら学ぶわけですから、学習する内容に魅力を感じるようになり、様々な場面で主体的な活動がみられるようになってくると思います。それに応じて、一人一人の学ぶ力も向上し、より深く、より幅広く探究しようとする姿勢が形成され、望ましい学習環境ができるのではないかと考えます。
そして、主体的な学習活動によって生徒たちの知的欲求も高まると思います。また、学校生活の学級活動や生徒会活動等の中でも自分たちの問題を主体的に解決するようになってくるであろうし、それによってルールを守ることの大切さに気付いたり、さらには、高度な問題にも積極的に対応していく姿勢が生まれてくるのではないかと思います。しかも、筋道立てて考えるとか、あるいは全体を見通して行動する力なども育つと思っています。もちろん、教師の指導姿勢も大きく変わってくると思います。特に、子供たちに対する指導や支援のあり方が大きく変わってくると思います。生徒と共に考える姿勢や心構えが向上してくると考えます。
金子 始業式の時に、生徒たちに「高校というところは、学ぶということはどういうことなのかを学ぶところである。」というような話をしました。従来型の受け身的に知識の量を拡大するような学習では、真の問題解決能力は身に付かないと恩います。高校の場合、新学習指導要領の実施には平成15年度から学年進行で移りますが、はっきり申し上げて特色ある学校づくりや総合的な学習の時間のあり方についてはまだテーブルに載ってきません。それよりも、学校週5日制へ向けて授業時数をどう確保するかなど大変な悩みを持っています。いずれは特色あ