福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.130(H12/2000.7) -012/042page

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る学校づくりという段階を迎えることも想定しながら、本校としては生徒たちに「君たちが憧れの大学へ進学することをイメージしながらがんばれ。」と言っています。それによって、自ら学習に取り組む「自発力」を身に付けさせることが大切だと思っています。今後は、総合的な学習の時間を、その自発力の養成に使っていきたいと思います。もしこれが身に付けば、生徒会活動や部活動などを含めて生活全般も主体的な生き方に変わっていくなど、学校生活の活性化が望めるのではないかと思います。

もう一つ、教師側の問題ですが、総合的な学習の時間を実施する場合、教師側の力量の向上がますます重要になってくると思います。どのような内容を構築し、実践していくのか教師自身の研鑽がまず大切になってくると思います。

芳賀 裕PTA会長
芳賀 裕PTA会長
芳賀  県の世論調査の中の「魅力ある学校づくりに何が必要ですか」と言う質問の回答の中に「魅力ある授業づくり」を望む意見が数多くありました。これが、魅力ある特色ある授業づくりや学校づくりにつながっていくと考えます。現在の子供たちを取り巻く環境は非常に恵まれており、ただ漫然と生きていても生きていける環境にあります。将来の生き方を学ぼうとする小・中・高のそれぞれの中で目的意識や意欲を持つことが今必要になってきています。その意欲を持たせるのも、先生方のお力次第だと思います。子供たちの意欲の高まりが、子供たちだけでなく、その子供たちにかかわる先生方が子供たちの思いを成就させようと魅力ある授業づくりに努力されることで、学校自体が魅力ある学校へと変わっていくものと考えています。

渡辺  「特色ある学校」の具現化のための取り組みを通して、学校や子供たち、先生方はどう変わるのかということですが、学校では学習のリアリティーが格段に高まってくると思われます。特色ある学校づくりの大切な視点である開かれた教育により、子供たちの学習空間が拡大していきます。例えば、地域に出かける学習の中で、教えていただく際のあいさつの大切さ、短時間でメモをとる難しさ、的確な質問をするための下調べの重要性など、机上では考えもしなかった課題が肌で感じられるわけです。受け身の学習では一歩も進まない実感も得られるでしょう。先生方も、子供たちの変容を見ながら、目的的な学習の構成を心がけ、探究の筋道が明確になるような指導を重視するようになるでしょう。また、すべて一人で学習指導を完結させるといった教え込み型から協働して教育するチームワーク型の教育が一層展開されると思います。その中で、先生方の得意分野を生かす機会が増えるとともに、教育活動の様々な角度からコーディネイトする学習指導観も広がっていくと考えます。

5 将来に夢を持ち、創造性に満ちた学習活動を繰り広げる子供たちの育成を目指す

司会  「日本の初等・中等教育はその効率性やレベルの高さなどにおいて、世界一と言えるようなすばらしさがあり、1人の教師が40人から


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