福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.130(H12/2000.7) -014/042page
に関わっていくのかを体験的に考えさせたり、夢を持って生き生きと職業を営まれている方々と話をしたり、一緒に働いたりするなど、体験的な学習の機会をより多く作っていきたいと思っています。とにかく、全校生で時間をかけて何か一つのことにじっくり取り組んで、その途中には苦労も多々あるかと思いますが、それらを克服して一つのことを成し遂げることで全員で感動や成就感を味わえるようなことをやっていきたいと思います。
金子 高等学校そのものの閉塞性という観点から話をしたいと思いますが、その前に、伝統校といわれる学校で定員割れという状況が出てきた県があり、本県でも少しずつ似たような状況が生まれつつあると感じています。その理由は、入れる学校から入りたい学校へなど、受検生の既成概念が少しずつ変わってきている可能性があることがあげられます。入りたい学校というのは、学校生活が楽しいこととか、一人一人を大事にしてくれる学校を想定しているのだと思います。ですから、どの高校も、そのような状況に敏感に反応しながら、魅力づくりに真剣に取り組まなければならなくなってきていると思います。そのために、どうしていけばよいのか。一つは、もっともっと高校は謙虚にオープンに、地域社会の二一ズを的確にとらえることに努力しなければならない。アンケートなどを実施しながら高校に何を望んでいるのかをきめ細かにとらえていかなければならないと思います。二つ目は、教師自身が自己研鎖を重ねながら、端的に言えば、存在そのものが夢に満ち溢れてるような先生、そして、個性豊かな先生、魅力ある先生と置き換えてもよいのですが、そのような先生の存在そのものが生徒たちに影響を与え、夢を与える大事な要素だろうと思います。三つ目は、進学校ではありますが、色どりのある学校生活を保証する必要があります。言い換えると、学校行事など、楽しい要素を含んだ学校生活を送れることを保証しなければならないと思います。
司会 本日出席いただいた校長先生方は、自分の方針というものをしっかり持っていらっしゃいますし、新しい教育の方向も見据えていらっしゃいます。芳賀さん、保護者として「このような学校になってくれたら」という願いのようなものはありますか。
斉藤教育経営部長
芳賀 福島女子高校は、昨年度から授業公開を行い、中学校の先生や保護者の方々に生徒の様子をみていただいています。今年度からは、公開終了後中学校の先生方との協議会を新たな試みとして追加しました。伝統校だからということでは生徒が集まらない状況が私たちの地区にもありまして、先生方も必死で自分の高校を売り出していかなければならない。そして問題点は何なのかを地域からお聞かせいただくという努力をしているということです。そういうことで学校はもっと情報公開を進めるべきだと考えます。そのためにも、学校評議員制度などは積極的に活用していただきたいと思います。評議員の選定にあたっては、地域人材活用といった面からも、本気で学校や地区のことを考えてくれる方を選定していただきたいと思います。それから、特別非常勤講師の枠の拡大というお話もありましたが、そういったものも積極的に活