福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.130(H12/2000.7) -015/042page
用していただきたいと思います。また、先ほど福島四中の荒海先生から職業講話のお話がありましたが、PTAは学校からの依頼がないとなかなか入っていけない部分がありますので、学校側から積極的に呼びかけていただき、活用していただきたいと思います。それによって、PTAの活動そのものも活性化していくと思いますので、ぜひ保護者を活用していただきたいと思います。
司会 県の教育界には「学力向上」という大きな課題が課せられていますので、子供たちが伸び伸びしていさえすればいい、とだけ言っているわけにはいかない苦しさもあると思います。各学校の主体的な取り組みを支援するという新しい教育行政に求められているものにも難しいものがあると思いますが、指導行政に身を置く立場から、各学校の実践にどんな期待をもっているかお話ください。
渡辺 今回の座談会では、教育改革の風は、教育を足元から見直そうとする学校から吹いていると実感しました。目の前の子供たちを学校でどう育てていくのかの計画書は、教師である私たちにしか書けないという熱い思いが底に流れていると感じたからです。元来、先生方は工夫・改善が得意です。毎日子供たちは変わっていくという意識、これが教育活動に対する日々の反省と手直しにつながっています。この積み重ねによって学校教育は大きく前進してきたとも言えるでしょう。3人の校長先生とPTA会長さんのお話の中に外からの変化を求めるのではなく、自分たちで改革をしていくのだというリーダーシップが感じられ大変感激いたしました。さて、各学校の実践にどんな期待をもっているかということですが、私が期待するのは、「自校ならではの教育の創出」です。「自校ならでは」という言葉には、学校が内から見つめた独自性と、外から求められる願いや期待に応えようとする教育の創造性が融合しています。子供たちは、自分の学校に夢と誇りとよさを感じています。それらをますます高めていくのはその学校に通う子供たちだけに用意されたスペシャルプランしかありません。「特色ある学校づくり」と子供たちのつながりはそこにあると思います。私たちは、各学校の発信に敏感に反応する教育行政を心がけています。よろしくお願いいたします。
司会 もっといろいろとお話いただきたいと思いながら進めて参ったのですが、予定時間がきてしまいました。各校長先生からは「特色ある学校づくり」についての基本的な考え方や小・中・高の各校種において取り組んでおられる具体的な実践例もいくつか知ることができました。また、渡辺先生からは教育行政が各学校の「特色づくり」に全面的にバックアップしていくという熱い思いと、本日おいでいただいた学校以外にも、創意ある活動をしておられる学校が数多くありそうなお話も聞くことができました。芳賀さんからは保護者の立場から、そしてPTA会長として学校を間近で見てこられての貴重な御意見を伺うことができ、今後の学校経営の示唆をいただけたものと思います。
本日の座談会の内容を県内の先生方に理解していただき、より深い実践を生み出すことを期待して終了させていただきます。本日の御出席、ありがとうございました。
(平成12年6月20日実施)
注1 「コラボレーション」 さまざまな背景をもった人間が、ある目標に向けて協力して新しいアイディアを創発 すること。 (集英社「イミダス’99」による)