福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.130(H12/2000.7) -018/042page

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[4]では、教師の、「青く書いたところで決まり(規則)を見付けて、ここが決まりになっていると思うところに赤丸を付けてください。」という指示で、生徒たちは、グループごとに自分たちが書いたカードを使って、すぐに、「飛びます」や「飛ぶとき」の「ます」や「とき」などの続く語を除いて「飛び」の「び」などの活用語尾に着目し、赤丸で囲んだ。これによって「飛ぶ」は、バ、ビ、ブ、べ、ボ、つまりバ行におけるア段、イ段、ウ段、工段、オ段に活用することに気付くことができた。

ここでは、「飛べる」のような可能動詞や音便、方言等は、別の機会に学習することを告げ、分けておくことも、忘れてはならないポイントである。

また、この活動には、すべての活用形が出そろいやすいように多くのカードを集めるためと、時間短縮のために、黒板にはったカードを使い、生徒全員で考えていく方法も考えられる。

[5]では、自分たちが書いたカードを基にした「活用形」についての説明だったので、意欲的に聞いていた生徒が多かった。

[7]では、まず、個別に活用表の空欄に答えを書き入れていった。五段活用の動詞「話す」「遊ぶ」については抵抗なく書くことができた。その他の「活用の種類」の動詞「見る」「受ける」「来る」「する」についても、少し戸惑いはあったものの、本時で学習したことを生かし、「続く語」を手がかりにして活用語尾を書き入れていくことができた。続いて、黒板にはった活用表を使って答えを確認し、「活用形」と「活用の種類」について説明したことにより、両者を区別することができるようになってきた。

3 実践をふりかえって

(1) 生徒の学習意欲について

事後調査によると、事前に比べ、わずかだが文法の学習を好む方向へ変容した。特に事前調査で「とても嫌い」「嫌い」と回答していた生徒の半数以上が望ましい方向へと変容していた。また、生徒は、教師の話を聞くときよりも、今回のように小グループで話し合ってカードに書き、自分たちで規則性を見付けるなどの活動をしているときの方が学習意欲が高まる、ということが観察を通して明らかになった。

(2) 「単語の活用の理解」は高まったか

事後テストの結果は、事前テストと比べると、大きく高まった。また、解答を書けなかった生徒が減ったことは、上述した意欲の高まりと合わせて望ましい変容であると言える。

今回実践したような活動を取り入れた指導は、生徒の文法の学習に対する抵抗感をやわらげ、単語の活用を理解させる上で有効であることが分かった。

なお、今回の研究に当たっては、梁川町立梁川中学校菊田文彦教諭に、授業実践、資料提供をしていただきました。詳細は、「研究紀要Vo1.29」(福島県教育センター平成12年6月)をご覧ください。


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