福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.130(H12/2000.7) -024/042page
「試す」の方法としては、 [1]部分的に短時間で試す。[2]実習を繰り返す。[3]完成品を利用する。[4]実験する。 の4つを押さえた。この中から題材に合った方法を選び、1つあるいは2つ程度を題材の中に位置付けることで、子供たちは意欲的に活動することができるようになるであろうと考えた。
(2) 学習課題に気付き、学習の見通しを持つ とは
「これを解決したい」といった願いを芽生えさせるために「試す」活動を取り入れる。そこで発見したことや驚きは、学習課題作りに大きく関わってくる。その活動により「この題材ではこんなことができるようになりたい」「こんな学習をしてみたい」という子供の願いをとらえ、「試す」活動の内容や方法の工夫を図る。
(3) 自信を持って、意欲的に活動する とは
「試す」学習で調べたことや計画したことを確かめたり、修正したりすることで、安心して活動に取り組み、自信をもって課題解決に取り組む姿を具現したい。
III 研究の実際と考察
1 年間指導計画における「試す」活動の位置付け
2 検証授業計画1
(1) 題材名「衣服の選び方と手入れの工夫をしよう」
(2) 本時のねらい
○ くつ下の汚れ成分に気付き、きれいにしようとする意欲をもつことができる。 ○ 手洗いによる洗たくの手順が分かる。 3 検証授業計画2
(1) 題材名「調理の工夫をしよう」
(2) 本時のねらい
○ ゆでたじゃがいもを試食した感想や気付いたことから新しい課題を見付けたり、ゆで加 減について調べる実験方法を考え、実験することができる。 4 検証授業の実際と考察
(1) 検証の観点
[1] 題材における「試す」活動の位置付けが効果的であったかをワークシートの記入状況や 活動の様子により考察する。 [2] 「試す」活動が学習の見通しをもたせるのに有効であったかどうかを活動の様子や意識 調査で確かめる。 [3] 「試す」活動が主体的に取り組む学習課題づくりに効果があったかどうかを活動の様子 やワークシートの記入状況、意識調査により考察する。 (2) 授業の概要
[検証授業1]
○ 汚れ落ちに関する気付きを大切にするために「実際に洗う」の「試す」活動を本実習の 前に取り入れた。汚れたくつ下をビーカーの真水に入れてこすると、水がにごることを確 認させ、まだ完全に汚れが落ちていない事実から、洗剤の必要性に気付かせた。(資料1) ○ 後半、くつ下の手洗いをして、透明だった洗剤液が見る間に真っ黒になっていく様子に、 汚れ落ちの具合を目で確認することができた。(資料2)