福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.130(H12/2000.7) -026/042page

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家事の大変さや苦労を少しずつ理解し始め、家庭でも家事に主体的に取り組む姿がみられるようになった。

(3) 意識調査の結果と考察

学習の前後に、「家庭科に関する意識調査」を児童と保護者を対象に行った。
「試す」活動を通して学んだ知識や技能、さらに得た自信が本実習にどれだけ生き、そ して実際に生活にどれだけ生かすことができたかなど、この結果から子供の姿を垣間見る ことができる。
例えぱ、資料5(対象児童31名)を見ると、「試す」活動から学んだことを共有して、本 実習をした経験が、子供の家庭での実践意欲を促したのではないかと考えられる。 資料5
保護者からの回答(30名)では、資料6からも分かるように、「試す」活動で洗濯や調 理・食事についての関心が高まり、「家族の一員として少しでも手伝おう」という気持ち の芽生えが感じられる。 資料6
「試す」活動について子供の感想を求めたところ、活動の自信へつながったと思われる 感想がいくつかみられた。
子供の感想の一部
2つの題材を終了して2週間後、「試す」活動が子供たちにどんな効果をもたらしたか を聞いたところ、次のような結果が得られた。
・できないことができるようになった(50%)
・自信がついた(23%)
・もっとチャレンジしてみたくなった(13%)
・その他(14%)
このことからも、「試す」活動の有効性をあらためて実感した。

IV 研究のまとめと今後の課題

1 研究のまとめ

(1) 「試す」活動は、一人一人の学習課題の明確化や意欲の持続に有効な手立てであった。
(2) 「試す」活動のような実践的・体験的な活動をすることにより、子供一人一人が学習の 楽しさや成就感を体得し、それが活動への自信につながり、次の学習への意欲や家庭での 実践へと波及した。
(3) 「試す」活動は、上記の他に、「食物」領域や「被服」領域における技能の向上にも効 果があった。

2 今後の課題

(1) 「試す」活動をどの題材のどこで行うか効果的な位置付けの検討が必要である。
(2) 「試す」活動を通して、子供自らが必要性を感じ、主体的に考え、判断しながら活動で きるようにしていきたい。
(3) 「試す」活動は準備や指導に時間がかかることが多いため、学習内容のさらなる精選が必要である。


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