福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.130(H12/2000.7) -028/042page
学習方法である。課題設定の段階から見通しを立て、予想をもとに計画立案し、検証していく過程を大切にし、知識よりも問題を解決し処理する能力を育てるねらいがある。
(2) 充実した表現方法で発表させるための手立て
生徒は、文章による表現方法をあまり好まないので、図や表を活用したポスターを用いた発表に取り組ませることによって意欲を喚起する。
また、デジタルカメラによる写真や映像、実体投影装置による実物の提示など、発表者が意欲的に取り組める視聴覚機器を活用する。
III 研究の実際と考察
1 検証授業[1]
(1) 研究対象 第3学年
(2) 題材名 生物界のつながり
(3) 本時のねらい
実体験を伴った野外調査を通して、身近な自然環境に親しみ、気付き、発見しながら新たな課題設定のための材料探しができる。
(4) 指導の概要
[1] 実体験を伴った野外調査への取り組みについて
野外調査への取り組みを、5段階評定で自己評価させたところ、生徒は、意欲的に取り組んでおり、身近な環境を教材とした野外観察の有効性がうかがえる。
【野外調査の自己評価】数値は平均値 特に、『成山の土の中の小動物・分解者の調査』では、「石や落ち葉を裏返す」「穴を掘って調べる」など主体的に観察しようとする態度がみられた。
[2] 野外調査で得た発見・疑問について
身近な環境を教材とした野外観察を繰り返すことで、生徒は、資料や写真からの分析では得られない実体験を伴った気付き・親しみ・新たな発見・疑問を習得している。
【野外調査で得た発見・疑問】
○土壌動物はどうして群れをつくるのだろう
○土壌動物は重い石の下でもつぷれないで活動できるのはなぜだろう
○どうしてクモの巣を3層にはるのだろう
○不思議なクモを発見したので名前を調べたい
○生きた樹木にも菌糸がついているのはなぜ2 検証授業[2]
(1) 研究対象 第3学年
(2) 題材名生物界のつながり
(3) 本時のねらい
生物界のつながりについて自ら設定した課題の観察・実験・調査結果を、充実した表現方法で発表できる。
(4) 指導の概要
[1] 課題追究学習の実際について
生徒は、自ら設定した課題を検証することに意欲的に取り組み、活発に学習する姿がみられた。
また、野外調査・実験結果の記録にデジタルカメラを用いることで、能率的に調査を進めることができる・写真をみて考察できる・テレビに写して図鑑と比べることができるなど、有効に活用する班が多くみられた。
反面、生物界を対象とした課題追究学習のため、全体的に、条件の統一のむずかしさや科学