福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.130(H12/2000.7) -029/042page
的方法の限界を感じた班が多かった。
十分な結果が得られず、正しく考察できない班もみられたが、「もう一回同じ実験をやりたい」「次はきちんと条件を考えて実験に取り組みたい」「もっと時間がほしかった」など、内発的な活動意欲が高まる結果になった。
[2] 生徒が作成した発表用のポスターについて
発表用のポスター作成にあたり教師が生徒に示した内容は以下の通りである。
○ 文字は2〜3mはなれても見える大きさで書くこと ○ 文は短く要点をおさえて書くこと ○ 図や写真を使って、聞く側がわかりやすいように工夫すること ○ 色を多用せず、大切なところだけ目立たせること 生徒は、ポスターの作成に意欲的に取り組んでおり、実験・観察・調査時に撮影した写真を活用したり、図を使ってわかりやすくまとめたりしていた。
[3] ポスター発表の実際について
発表する班を前半、後半にわけ、20分ずつの発表時間を設定し、時関内で4〜5回の発表ができるようにした。
聞き手には、発表会レポートをまとめさせることで「わかったこと」「質問・疑問点」をメモしながら発表を聞くようにした。また、『実験・観察・調査の内容』『発表のしかた』『ポスター・レポート』を5段階で相互評価させた。
発表者は、ポスターを中心に自分の班の発表をすすめ、最初は上手にできなかったが、徐々に相手にわかりやすい説明ができるようになり、質問に対しても積極的に応じようとする姿勢がみられた。
【生徒が作成した発表用のポスター】 また、デジタルカメラを用いてテレビ画面で発表したり、実物を実体投影装置で映したり、ポスター以外の視聴覚機器も上手に活用しながら、より効果的な発表ができていた。聞き手の側も積極的に質問しており、全体的に活発で人前で発表することへの抵抗感を感じることなく発表会を進めることができた。
3 考察
(1) 生徒の自然に対する意識の変容について
イメージマップからは、『成山』に対する概念が学校や町のシンボル的な存在から、多くの動植物が生息する自然の場へと変容していったことが読み取れる。
実際、野外調査の時には、「ハチがいて、あわててにげた」「クモの巣にひっかかった」など嫌な体験をしている生徒もいたが、直接体験が自然に対する正しい意識を形成するのに有効であったと考えられる。
(2) 課題追究学習・ポスター発表の有効性について
課題追究学習・ポスター発表に意欲的に取り