福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.130(H12/2000.7) -030/042page
【成山に対するイメージマップの変容】 組む生徒のようすから、次のような効果があったと考えられる。
実体験を伴った野外調査で、新たな発見や疑問を得ることができ、内発的な活動意 欲や問題意識を喚起できた。 ↓
新たな発見や疑問から、個別の課題を設定することができ、主体的に課題追究学習 に取り組めた。 ↓
課題追究学習に主体的に取り組めたため、自信をもって発表することができた。 発表の好み度の変容を調べたところ、5段階平均値が[事前2.4⇒事後2.7]と、全体的に苦手意識が解消してきた。
【発表の好み度の変容】
グラフの数値は%特に、ポスター発表については、93%の生徒が「よい」と答えており、同時に数か所で発表している安心感や聞き手との距離感など、苦手意識を改善するのに有効であったと思われる。
従来の発表では、レポートにまとめた文章をそのまま読んでいる生徒が多かったが、ポスター発表では、「自分の実践を聞き手に伝えたい」という生徒の思いが感じられた。
レポートを見ながら発表するのではなく、聞き手の目を見ながら説明できるようになり、発表者と聞き手が活発に対話する姿がみられた。また、質問に対しても、準備していた写真を提示したり、デジタルカメラ映像で説明するなど表現方法が充実し、発表力の高まりが顕著にみられた。
V 今後の課題
1 課題追究学習で、生徒は自ら課題を設定することのむずかしさや考察のむずかしさを感 じていたが、このような学習を繰り返すことで問題解決の能力が培われると思われる。 2 ポスター発表の形式を工夫し、どの班の発表も聞けるように改善することが必要である。 また、記録・発表の両面でデジタルカメラが有効であったことから、今後は台数を増や して、どの班も活用できるようにしたい。