福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.130(H12/2000.7) -031/042page

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研究紹介

2次関数における基礎・基本の定着を目指して

〜プリントつづりの活用を通して〜

福島県立梁川高等学校教諭  斎藤実

I 主題設定の理由

本校の生徒は、まじめに学習に取り組む生徒が多いが、学力に関して言えば、まだまだ基礎学力が不足しており、日々の学習指導上、支障をきたす場面も多々みられる。そのような中でも、それぞれに授業に工夫を凝らし、生徒の自主的な取り組みを大切にしながら、教職員一丸となって「分かる授業」の実践に心がけている。

数学に関する調査結果では、基礎・基本の定着率が低く、数学に対する苦手意識をもつ生徒が7割近くいる。特に上級生では、2次関数の分野に顕著にみられる。

2次関数の単元は毎時関系統的に新しい内容を積み上げていくため、生徒の実態を踏まえると、前時までの内容が定着できない生徒が多いことが予想される。その中でも、グラフの指導では毎年苦慮しており、その指導を改善しなければ2次関数でのつまずきを解消できないと考える。

以上のことから、授業内容の精選と生徒の理解を促すために学習プリントなどを作成し、それらを蓄積していくことで自分の学習の手引きとして活用させる。また、授業でつまずいたときに、自分で振り返ることができるような指導を繰り返していくことにより基礎・基本が定着し、自主的に問題を解決しようとする意識や問題解決力が育つのではないかと考えて本主題を設定した。

II 研究仮説

1 仮説

2次関数の単元において次のような手立てを工夫することにより、基礎・基木の定 着が図られ、授業でのつまずきも解消し、苦手意識が強い2次関数の理解も深まるで あろう。
(1) 支援プリントの作成
(2) 学習プリントの活用
(3) 自主的な問題解決を目的としたプリントつづりへの回帰

2 仮説のための理論

(1) 支援プリントとは

2次関数の導入の前に既習事項で今後に必要な教材を全て分析し、次の2つの事項を盛込んで支援プリントを作成する。

[1] 2次関数の学習に必要な既習事項
    ⇒関数についての定着度の把握

[2] 予想されるつまずきに対する基本的な事項
    ⇒つまずきを克服するためのヒント

(2) 学習プリントとは

授業内容を焦点化し、次の3つのことを念頭に置きながら、生徒の理解の補助となる学習プリントを作成する。

[1]学習内容と基礎・基本の定着


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