福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.130(H12/2000.7) -033/042page

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した。その後、y=ax 2 のグラフがかけない生徒に『プリントつづり』を開いて指導するとすぐに理解してグラフをかき始めた。また、y=ax 2 +q、y=a(x−p) 2 のグラフの指導では方眼のプリントを準備し、後で見やすいようにプリント1枚につき1つのグラフをかかせてつづらせた。

イ 検証授業での状況

検証授業 導入で前時までにかいた、y=2x 2 、y=2(x−1) 2 、y=2x 2 +3のグラフを自分の『プリントつづり』で確認させ、y=2(x−1) 2 +3のグラフを予想させた。連日y=2x 2 のグラフを例に指導しているため、予想以上にかけるようになっていた。展開では段階を追ってグラフをかかせたが、グラフの定着率がまだ低いため、自主的に前時にかいた『プリントつづり』のy=2(x−1) 2 のグラフを参考にする生徒がみられた。

ウ 検証授業後の指導

全ての既習内容を含めた学習プリントを作成して問題演習を行うと、つまずいた点を自ら『プリントつづり』で調べたり、分かる生徒が分からない生徒に『プリントつづり』を開いて説明したりしている姿がみられた。

その後、定着度を調べるために確認テストを実施すると、半数の生徒がy=a(x−p) 2 +qのグラフまで全て正解した。

[2] 検証授業2

ア 検証授業までの指導

y=ax 2 +bx+c のグラフを学習する前に式変形を丁寧に指導し、その確認テストでは半数以上の生徒が式変形できるようになった。また、検証授業1以降学習プリントを多く取り入れ、グラフがかけるようになるまで習熟した。

イ 検証授業での状況

検証授業 この授業では対応関係を強調して展開しようと考え、グラフをかかせてから対応表を作成させた。そこから増加・減少を把握させ、最大値・最小値を理解させた。始めから式変形をしてグラフをかける生徒はこの時点で約30%であり、式変形を提示してグラフをかける生徒は約50%になる。残りの生徒はグラフをかけないが、その生徒たちも『プリントつづり』で調べようとする姿がみられた。

ウ 検証授業後の指導

最大値・最小値を求める問題に習熟したことで、次第にグラフをかかなくとも最大値・最小値を求めることができることに生徒自らが気付くようになってきた。

(3) 考察

[1] 『支援プリント』、『学習プリント』を利用した授業が関数の基礎・基本の定着に有効であったか

2次関数の分野の主な基礎・基本【グラフ1】 グラフ1は事前と事後のテスト結果をまとめたもので、2次関数の基礎・基本の全ての項目にわたり正答率が向上した。また、グラフ2のように89%の生徒が学習プリントを用いた授業が分かりやすいと答えた。学習プリントを作成すると、通常の授業の取り組みが消極的な生徒でも前向きになり、他の生徒も熱心に理解しようとした。



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