福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.131(H12/2000.11) -039/042page
たことを発表しましょう。 C 9 :自分が、こんな活躍を見せているなんて思ってもいなかった。これからも期待にこ たえられるようにしたいです。 C 10 :(「よいところイメージカード」を)みんなにもらって本当にうれしかった。
(資料2)振り返りカード (5) 授業の考察
振り返りカードから考察する。
「わたしはだれでしょう」ゲームが“楽しかった”と答えた児童は、97%であった。学級の友達が見つけた自分や友達のよさを、ゲーム形式にして予想し合うという活動が、児童の主体性や満足感を高めた結果と考える。
また、ねらいにどの程度せまれたかを振り返りカードの自由記述の内容から分析した。
「みんなのこと」は、肯定的な他者理解を見る内容である。「みんな一人一人いいところや特徴があるんだなと思いました。」など、友達のよさや独自性についての理解の深まりが、約80%の児童に見られた。「自分のこと」は、肯定的な自己理解を見る内容である。「ぼくが、こんなによいことをやっていたと思わなかった。」「わたしは、みんなのためにこんなにいろいろやっていたんだなあと思いました。」など、自分のよさへの気付きや深まりは、約90%の児童に見られた。また、「もっと頑張りたい」「友達のよいところを見つけたい」など、自分のよさを伸ぱそう、友達のよさを認めようといった意識の高まりも見られた。
4 授業の反省
この授業は、小学校3年生での実践である。学年が上がるにつれ、よさを素直に受け入れられなかったり、疑心暗鬼になったりする児童が出てくる。そんな児童には、教師がよさの内容を具体的に補足したり、授業後の様々な活動の中でフィードバックしたりする働きかけが大切になってくる。学級通信の活用や学級のチャンピオンづくり等の活動を工夫することで、さらに自己肯定感を高めていくことが期待できる。
III 研究のまとめ
児童生徒の豊かな人間関係をはぐくむためには、自己肯定感が大切な基盤であるということが明らかになった。今後は、その上に、友達とかかわる実際的な「技能」も身に付けていくことが必要であると考える。その技能を高める指導援助の在り方については、研究紀要Vol.29(福島県教育セシター)を参照されたい。