福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.132(H13/2001.2) -009/042page

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択・加工・発信」能力と関係している。そして、このような情報活用能力は、総合的な学習における「課題解決学習の仕方(学び方)」の根幹をなしている。

表1に示した木原小学校では、総合的な学習の入門期にあたる3年生の1学期に、自力で問題解決的な学習を進めるために必要な情報収集・活用の能力の基礎を身に付ける場として、「もっと知ろうよわたしたちの美浦村(35時間扱い)」という情報を中心とした単元を設定している。

具体的には、全員の子どもにかかわると思われる情報収集の方法として、インタビューの仕方、メモの取り方、メモの整理の仕方、電話のかけ方などの取材方法を身に付けさせるとともに、カメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラの使い方についても学習させている。さらに、コンピュータを使ってまとめる、かべ新聞にまとめる、OHPシートにまとめる、という3つの表現方法の仕方を学習させている。これらの学習内容は、前述した越ヶ谷小学校の3年生を対象とした入門学習とよく似ている。ここで大事なことは、単にメディアの使い方を学ばせるのではなく、自分たちの課題(テーマ)を追求するのに必要な学び方(情報収集・整理・発信の仕方)を具体的な課題のもとで学習させることにある。

III 総合的な学習におけるインターネットの活用

1 インターネットで広がる総合的な学習

インターネットが学校そして教室に導入されるのにしたがって、総合的な学習のどのような場面でどのようなやり方で、インターネットを活用したらよいのかが重要な課題となってきている。というのも、資料を収集したり、情報を交換するのにインターネットが有力な道具となることは多くの教師が理解しているものの、インターネットの活用が子どもたちの体験を奪うことになったり、安易にインターネットに頼る総合的な学習になるのではないかという不安をもっている教師がかなりいると思われるからである。もっともな不安である。

では、総合的な学習の中で、インターネットはどのように活用できるのだろうか。また、活用にあたってはどのようなことに留意したらよいのだろうか。

(1) 課題解決のための情報収集

総合的な学習では、子ども一人一人が課題をもち、テーマを決めて、課題追求をしていく。その時、インターネットは有力な情報収集のためのツールとなる。特に、最新の情報(例えば、地球環境に関する情報、わが国の少子化・高齢化に関する情報など)や遠距離のために直接訪問が不可能なところの情報を入手したいときには、最適なツールとなる。

では、インターネットを活用して子どもたちが情報収集を行うときには、教師はどのようなことに留意したらよいのだろうか。

[1] インターネットで得た情報を確かめるために体験活動を行ったり、体験したことをまとめるためにインターネットを活用するといったように、インターネットと体験活動を相互に関連付けさせる。

[2] インターネットで得た情報が適切かどうかを確認させる。そして、インターネットを必要以上に過信させない。

[3] 自分で調べてきた情報とインターネットで調べた情報を比較させる。その際、新聞、本、


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