福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.132(H13/2001.2) -015/042page

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連載コーナー

崩れる学級

〜はなれる心・つながる心〜

教育センター教育相談部

130号 小学校低学年の事例
131号 中学校の事例
132号 小学校高学年の事例

*登場する人物は、すべて仮名です。

1 校長先生から言葉をかけられる坂本先生

5月も終わろうとしていたころ、6年1組担任の坂本先生は、だれもいなくなった教室で、自分の学級経営に限界を感じていました。

今目の授業参観の時、国語の授業を実施してみましたが、保護者の前でも授業はほとんど成立しませんでした。M男のグループをはじめほとんどの子供たちは、机に座っているものの、先生の話を聞いていません。関係のない本を読んだり、絵をかいたりして、先生の問いかけに応えません。教室内は、ざわついた雰囲気が漂っていました。

授業参観後の懇談会では、今目の授業の様子や日ごろの子供たちの荒れている様子について話題が集中しました。坂本先生が子供たちのよいところなどを話しても、保護者の心配は増すぱかりでした。坂本先生は毎日「もう少しがんぱってみよう。」と思ってきましたが、もうやっていけないと思いました。朝になると「学校に行きたくない。学校を休みたい。」と心から思うようになっていたのです。

こんな坂本先生の気持ちを察するかのように校長先生が、校内を回うて来たついでにということで6年1組の教室を訪ねてきました。坂本先生は、6年1組と自分のことを心配してのことだと、後で分かりました。

校長先生からねぎらいの言葉をかけていただいて
校長: 坂本先生のご苦労されている状況を何とかできないかと思いましてね。
坂本: もう少しがんぱってみようと思うのですが、子供たちの反抗的な態度に 限界を感じています。
校長: ……反抗……ですか。子供たちは坂本先生にどんなことを望んでいるのでしょうね。 今までの経験から、子供たちとのかかわりに生かせることは何かないでしょうか。
坂本: 色々と取り組んでみたのですが…。
校長: 時には他の先生から、子供たちの心をつかむヒントを得る場合もありますよ。

校長先生からねぎらいの言葉をかけていただいた坂本先生の目には涙が溢れてきました。張


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