福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.132(H13/2001.2) -020/042page

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2 仮説のための理論

(1) 話し合い活動とは

三年生の「聞く」「話す」の指導においては、小グループでの話し合いができるようにする。グループの話し合いにおいて一人一人の子供が相手の話をよく聞き、自分の考えを進んで話せるようにすることをねらいとする。

(2) 自分の考えをメモにまとめる活動とは

自分の考えを発表する時にメモを使うことにより、聞き手を見ながら話すことができ、自分の考えをより正確に伝えることができるようになると考える。そのメモをどのように作るか、メモをもとにどのように話せぱよいかを発表において繰り返し行っていくことにより、メモを活用できる子供になっていくと考える。

(3) 相互評価カードとは

「なるほどカード」を使うことにより、お互いのよいところを見付けることができ、それを自分の発表にも生かしていこうという教え合いの効果を期待する。また、友達の発表をよく聞こうとすることも意識させていきたい。さらに発表者にとっては、次の発表への意欲付けにもなっていくと考える。

(4) 適切に表現とは

起承転結という文章形式や聞き手によく分かるように、声の大きさや速さを考えて話すことができることととらえた。

III 研究計画

1 研究方法・内容

(1) 発表メモの活用による発表の仕方と話し合いの内容の変容をとらえる。

(2) 相互評価カートの活用による聞き方の変容をとらえる。

(3)話すことへの子供の意識の変容をとらえる。

2 研究対象

第3学年1組 36名(男子18名、女子18名)

IV 研究の実際と考察

1 検証授業計画

(1) 検証授業1
  教材名 「わたしのニュース」(光村図書)

(2) 検証授業2
  教材名 場面の様子に気をつけて
  「ちいちゃんのかげおくり」(光村図書)

2 検証の実際と考察

(1) 検証の観点

[1] 自分の考えを適切に表現する上で、発表メモをもとに話すことが効果的であったかを授業観察や子供のメモからとらえ、考察する。(検証の観点A)

[2] 友達が話していることをきちんと聞くことができたか、「授業観察」と「なるほどカード」から考察する。(検証の観点B)

[3] 事前・事後のアンケートから「話すこと」と「聞くこと」への子供の意識の変容をとらえる。(検証の観点C)

(2) 授業の概要

[1] 検証授業1について

「わたしのニュース」は、事柄の順序を整理して話すためのメモをまとめ、そのメモをもとに分かりやすく話すことを目標とした。身近なできごとの中で友達に伝えたいことを「ニュース」という形式をとることによって、原稿をそのまま読むのではなく、相手の反応を見て話しかけるように工夫した。

また、「基本的な話し方」を指導することによって、どのように話せぱよいかという技能を


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