福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.133(H13/2001.7) -004/036page

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よる個性的な教育課程の編成と実施を前提として,あるいはそれを期待してとられた措置である。

 こうした問題に取り組む際に,地域の特色や教育力を生かすという視点をどのように生かし,その具体化を図るかということが,それぞれの学校における新しい教育課程編成の課題となる。例えば,@教科等の指導において,地域の教材化をどう図るのか,また,教材の地域化をどう図ればよいか,A小学校でのクラブ活動や中,高校での部活動の在り方を地域におけるスポーツ活動や文化活動のための施設や組織との関係でどのように構想するのか,B中学校における選択教科の運営や高校における学校設定教科や科目の編成や指導に地域の実態や特色をどう生かすのか,C今回の改訂では,道徳教育や特別活動の指導を進めるに当たって,ボランティア活動や就業体験(高校)などの社会体験活動の充実を図ることが重視されているが,そうした活動をめぐる地域との協力や連携をどう図ればよいのかなどの問題が重点的に取り組まれるべき課題として浮かび上がってきている。

(3) 「総合的な学習の時間」が創設されたことは,今回の改訂に見られる最も重要な意味をもつ改善点であるが,この「時間」に展開される総合的な学習は,その組織化や展開に当たって,地域の特色を生かし,人々の協力を得ることを必要とすることがきわめて多い。地域に根ざす総合的な学習をうまく構想し,効果的に展開させるということが,大きな期待をもって創設されたこの特色ある「時間」の指導を成功させる上で一つのポイントになる。

(4) 学校における教育活動の組織化や効果的な展開に地域の人々や諸施設・機関などの協力,連携を得るということだけではなく,教育目標の設定や教育課程の評価などを含めた学校運営に保護者や地域の人々の参画を求めるということをどのように進めればよいかという問題も,今後の重要な課題である。地域に「開かれた学校」づくりを進めるという課題は,地域の特色や教育力を生かす教育課程を編成し,展開するということと,密接に関連している。

 地域の実態を踏まえ,その特色と教育力を生かす教育課程を編成し,展開するということの具体的な中身ないしは課題を今回の学習指導要領の改訂との関連で,以上のような4つの点に集約することができる。
このうち,(1),(2),(3)は,教育活動に関わる面であり,特色ある教育課程づくり,特色ある教育活動づくりの一環ないしは一つの側面として位置付けられるものである。

 また,(4)は学校の運営に関わる側面であり,開かれた学校づくりの基盤ないしは一つの側面として位置付けられるものである。

 それでは,今回の教育課程の基準の改訂において,地域と学校との結びつきを一層深めるという方向が打ち出された理由あるいは背景について,どのように考えればよいのであろうか。先にも指摘したように,そうした方針が学校の創意工夫を生かした特色ある学校づくりを推進し,地域に開かれた学校運営を進めるための一環あるいは


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