福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.133(H13/2001.7) -008/036page

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らかにしておくことが,実際の指導場面での混乱を少なくすることにつながるわけである。
基本的な考え方としては,総合的な学習,教科,道徳,特別活動がそれぞれ固有の役割をもちながらも相互に補完し合い,相互に還流するという関係においてはたらくという機能主義的なとらえ方に立つことが求められている。

第五は,小,中,高校のいずれの段階においても地域を取り上げることは不可欠であるが,その取り上げ方については,校種や学年の違いによってどのように異ならせることが適切であるかという問題である。ごく大まかな言い方をすれば,小学校段階では身近な素材や資源を活用しての体験的な学習活動,中学校段階では教科の総合化と体験的な学習活動とを融合した形での学習活動,高校では教科や科目の専門性を生かした学際的な探究活動というような区分けをすることができる。
また,小・中の連携,中・高の連携,それらを総合した小・中・高の一貫性をどのように図るかという問題も,今後の研究課題として残されている。

3.地域住民の学校運営への参画

地域の特色と教育力を生かした教育課程を編成し,その効果的な展開を図るためには,地域の人々の学校教育に対する理解が得られており,学校の教育活動への協力や連携が得られるということが,不可欠である。地域住民や諸施設・機関などの理解と協力が得られていないところでは,地域に根ざす教育の実現を望むべくもない。

総合的な学習では,地域の人たちが講師として学校に招かれ,子供たちの学習活動の充実を図る上で重要な役割を果たす。また,子供たちが地域に出かけ,地域の施設や機関,職場などで貴重な社会体験や就業体験をする機会を与えられる。地域に関して,子供たちによるフィールド・ワークがふんだんに取り入れられるのも,総合的な学習の一つの特色である。

もちろん,学校と地域との関係は,総合的な学習に限られているわけではない。学校の行事に地域の人たちが参加する,地域の行事に学校の子供たちが参加する,学校の施設が地域に開放される,学校が地域の人たちを対象にして公開講座を開催する,クラブ活動や部活動の指導に地域の人たちが一役買うなど,さまざまな方法による学校と地域の協力,連携の活動や事業が進められている。

こうした子供たちの学習活動や地域住民の学習をめぐる地域と学校との協力と連携の強まりと深まりに伴って学校と地域との間にあった垣根がしだいに取り払われ,地域に開かれた学校,地域に信頼され,支えられた学校の実現を図ることができる。我々が目指すべき21世紀の学校像を,そうしたイメージで鮮明に描くことができる。

地域に信頼され,地域に開かれた学校の実現に向けてもう一歩前進を図るために必要なこととして,次のような二つのことを挙げることができる。その一つは,教育計画やその達成状況について,学校が保護者や地域住民に対して適切な情報を提供し,説明を行うと


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