福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.133(H13/2001.7) -011/036page
V 授業の実際
1 クロス・セッションの基本型の授業実践
(第2学年:歴史的分野「大正時代」)(1) 「調査班」での調べ学習では,文献資料,インターネットなどを使って,分からないところを聞き合いながら協力して活動できた。
(2) もとの「学習班」に戻っての調査結果の共有化では,少人数の話し合いだったため活発な交流がなされた。またこの活動の後,「調査班」に戻り,うまく説明できなかった点や答えられなかった質問等の意見交換をし,再び「学習班」で補充し合う活動を取り入れた。これによって,調査結果の共有化がより一層図られ,授業が活性化した。
(3) 大正時代をネーミングする活動を,個人→学習班→全体の三段階で行い,大正時代の特色をより明確にする全体での話し合いでは,KJ法を活用しながら類型化を図った。
「学習班」でネーミングした例
● 現代社会につながる革命的な時代
● 市民の生活や権利が向上した自由な時代
● シーソーのような不安定な時代
● 短い期間ながら,たくさんのことがあった時代 など◆ 生徒たちは,ネーミングする活動を通して,15年という短い期間ながらも,政治,社会,文化に大きな進展があった大正時代の時代像を自分なりにとらえていくことができた。
2 クロス・セッションの発展型の授業実践
(第1学年:地理的分野「アメリ力合衆国」)(1) 三つの立場に区分された黒板に名札マグネットを置いて,自分の立場を表しながら話し合いや討論活動を進めた。「生徒の居場所」をつくり出すことで,生徒一人一人に学習への参加者としての自覚を持たせることができた。自分の考えが変わったら立場を考えてよいことを認めた上で,@単元の最初,A学習班での調査結果の共有化後,B全体討論の最中・終了後にこの活動を位置付けた。
(2) 全体討論は,賛否に執着せず多様な考えを