福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.133(H13/2001.7) -021/036page

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ここでは,見通しを持ち,仮説を検証し,結論を得るまでの,問題解決の方法についての習得を図らなければならない。そのためには,検証の容易なものから扱う必要があると考えた。

そこで,初めに「もどり説」の検証を通して問題解決の方法を理解させ,次に「ぶつかり説」の検証において方法を適用させ,さらに「逆だめ説」「なくなり説」「使われ説」「ぐるぐる説」などの検証をグループごとに取り組ませ,方法の習得を図ることができるようにした。
授業の風景
1単位時間の流れは,ほぼ次のようであった。

@ 課題…「〜は正しいか。」の命題として提示
A 考え…課題に対する自分の考えを○×△?で意志決定
B 方法…グループによる検証実験の立案
C こうなるはずだ…実験の結果の予測
D 結果…検証実験の実施,事象の記録
E まとめ・発表…課題に対する結論,発表

なお,@〜Cまでを「見通しを持つ場」として位置づけ,その論理が一貫性を持っているかという点について,児童一人一人について教師が確認したり,助言したりした。
また,DとEでは,検証し,「考えを交流する場」として位置づけ,グループ内での対話やグループ間での対話が活発に行われるよう,次のような支援を行った。

検証実験の実施の場面では,事象が自分の考えを反証する結果になったのか,それとも確証する結果になったのか,という視点で事象を観察しているか,また,その結果がグループ内で共有できているかなどの点から,支援を行った。

まとめや発表の場面では,結論を導くために十分な条件(実証性,再現性,客観性)を備えているか,などの点から検討させ,場合によってはその場で再実験を行ったりするなど,そのグループの結論が学級として受け入れられるものとなるよう支援を行った。
最後には,課題への結論を,学級全体の見解としてまとめていった。

〈得た考えの一般性を獲得する場〉
単元の最後には,新たに創られた概念をより強固にするため,その一般性を確認し,獲得する場を設けた。
これには,様々な事象を提示して,「ぐるぐる説」を当てはめて考えさせ,この考えの一般性を多様な事象によって実証しようと考えた。
考える生徒

○電池の+と−をつなぐと?
この場合は,ほとんどの者が「電気は流れない。」と答えるが,「ぐるぐる説」で考えてみると,流れるはずだということになる。
そこで実際にやってみると,導線が熱くなる。
これは「電気が流れているんだ。ぐるぐる説は
電池の+と−をつなぐと?


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